※ 本作は、とろとろ 氏 「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。 |
なお、本話は作成中です・・・。
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「由香さんは、すぐ来るって言ってたよ」
別に由香の為に、食べないで待っている訳ではない。単に食欲よりも優先度の高い欲求の為に、全く料理を食べようという気がしない。その原因を作っているのが、エリヴィラと沙織だった。目の前のエリヴィラは、幼く見える背丈なのに、年上のお姉さん以上に妖艶な肢体を持っている。そればかりか、目のやり場に困るぐらいに、少年の前でその肢体をちらつかせるのだ。それにも関わらず、少年がエリヴィラの方を向いているのには理由があった。
「待ってること無いわよ」
「もう一回、呼んで来る?」
隣りに座っている由香を、全く直視することが出来ないのだ。風呂から上がった沙織が、むせ返るような色香を全身から発している。モデルのように綺麗な彼女ではあったけれども、風呂に入っただけでこんな風になるものなのだろうか。綺麗なピンク色に上気した肌や、潤んだ瞳だけでもドキドキものなのに、仕草が別人のように変わってしまっている。口調はそのままなのに、何時もと違って何故か少年に甘えてくるような態度、熱い視線と共に浴びせられる生暖かい溜息。更には、力が入らなくなった全身を無理に動かしているようなクネクネした動き。一体、風呂場で何が有ったのだろうか
「女の子のお風呂を、覗くつもりなの?」
由香の様子を見てきてやろうと、席を立とうとした途端に左からグッと手を掴まれてしまった。何となくだけれど、沙織の顔がチョット怖い。
「それに、早く食べてゆっくり休んだ方がいいわよ」
どういう事なんだろう。水をひっかぶてからは、玄関先までの痴態が嘘のようだ。今では普段の沙織らしい言動に戻っている。いや、水をかけられ時というより、エリヴィラが自分は少年の妹だと告げた瞬間から態度が元に戻った気がする。
「ごめんなさい。お姉さん達がいるとは知らなかったの」
「私がついていながら済みません。服は、縮まないようにちゃんと乾かしておきましたから」
「全然いいんです。全く気にしていませんから」
少年の”妹”に成りすましているエリヴィラに対して、妙に物腰の低い沙織の態度もまたチョット怖い。そればかりか、普段偉そうな態度を取っているくせに、少年に対してまで馬鹿丁寧だった。何か裏があるのではないかと勘ぐってしまう。ただ、いくら訝しさを感じていても、少年の体は正直だった。沙織に触られていると、どうしてもバスでの感触がまざまざと甦ってくる。ちょっと触られただけで、全身がドキドキしてきてしまう。
「でもほら、ちょっと長すぎるんじゃないかな」
『いいから食べなさいよ』
『食べた方がいいよ』
『食べて下さい』
何とか理由をつくってこの場から逃れたいのに、三人からハモるように言われてしまった。マズイ。また、疼きが止まらない。更に股間の繭が、絶え間のない刺激で少年を責め立てる。玄関先で危うく身を焦がしそうになった官能の炎が、今また全身に燃え広がろうとしていた。
「こんな美味しそうな料理なのに、冷めちゃうじゃない」
少年が食べられなくなっている理由が、自分にあることを沙織は判っていないのだろうか。沙織の手が少年の腕を未だに掴んだままだった。熱い彼女の体温が、その手の平からじんわりと少年の腕に広がる。ただそれだけのことなのに、それがまるで媚毒ででもあるかのように、少年の全身に回り始めるのだ。体がどんどん熱くなるし、心臓の鼓動も早鐘を打つ。とても食事を取れるような状態ではない。
「私が、また手伝ってあげましょう」
お手伝いさんに成りすましているリル・マンティスの言葉に、少年は凍り付いた。このままでは、昼食会の二の舞になってしまう。
「い、いえ。大丈夫ですよ。私がついているし」
口調とは裏腹に、沙織がまた怒っている。理由はサッパリわからないのの、沙織の表向きの態度には騙され無い。外見をいくら取り繕っている場合でも、彼女が内心どう思っているかどうか、少年には良く判る。リル・マンティスを止めてくれるのは嬉しいけれど、一体何でなんだろう。少年は、昼食会の一部始終を沙織に見られていた事を知らなかった。
「ほら、みんなに心配を掛けて。早く食べなさいよ」
段々、沙織の地が出てきている気がする。でも、こう隣りにピッタリと寄り添われたままでは、どうしても昼間の事を思い出してしまう。バスの中だけではない。保健室のこととか、沙織にされたことを思い出しただけで、鼓動が更に高まる。食事を取るどころか、脳溢血か何かになりそうな気がする。
「食べられないの?だったら、私が食べさせてあげるわよ」
そんなことをされたら、リル・マンティスであろうとなかろうと、まさしく昼食会の繰り返しになってしまう。しかも、今の沙織は妖艶過ぎだ。昼間のリル・マンティスが垣間見せた色気とは違う、まるで吹き付けるような色気を強烈に少年へ向けて放散している。そんな彼女達に「手伝い」をされたら自分がどうなってしまうか、少年には容易に想像がついた。
「遠慮すること無いのよ」
だが、沙織の声は耳から少年の脳へ絡み付くように忍び込んでくる。バスの中や、家に帰り着くまでに散々快楽の波に嬲られ続けた少年の体は、もはやその声に抗えない。