初版:2006/12/05
改定:2006/12/18
MEGAZONE WORLD
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二次創作
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取れない繭
取れない繭 07(翌日、部屋へ)
※ 本作は、
とろとろ 氏
「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。
ver 01.01
少年は、ぐったり二人の少女の肩へと崩れ落ちた。
気を失った少年を、二人の少女が辛うじて支え立たせている。
「フフ、また我慢出来なかったのね」
エリヴィラの声は、もはや少年に届かなかった。
そのまま倒れ込みそうな少年を、二人がそっと両側から支える。バスを降りた少年は、そのまま運ばれていった。傍目には少年を介抱している二人にしか見えない。
「ねぇ、何号室なの」
沙織の問いかけで少年は意識を取り戻した。爽やかな風が吹いている。いつの間にか、バス内ではなく少年のマンションに辿り着いていた。いや正確には、二人に運び込まれていた。
「まったく気絶なんかしちゃって、だらしない」
「でも、かなり具合悪そうでしたよ」
「日頃たるんでいる証拠よ」
「病人にかわいそうですよ」
まるで車内のことが少年の幻覚であるかのように、二人が話している。淫らなそぶりなど微塵も見せない態度は、まるで少年だけが淫夢をみていたのだろうか。二人の物腰は、実に健やかなものだった。
「ほら、さっさと言いなさいよ」
「何号室なんですかぁ」
尊大で横柄な、普段通りの沙織だ。あの二人から、淫靡さがすっかり抜け落ちている。やっぱり、車内での事は夢だったのだろうか。ただ、沙織が保健室でのこともきちんと覚えておらず、見舞いに来ただけで何もしていないと言い張っていた事をふと思い出した。いや、それさえも繭が見せた淫夢だったのだろうか。
二人は少年の腕をしっかりと掴んで立たせてくれていた。もはや、バスの中の妖艶な行動ではない。キビキビと少年を運ぶ様子からすると、二人とも少年が具合が悪くなって気絶したと思ってくれているようだ。バスの中で自分がどんな夢を見ていたか思い返し、少年は、少しばかり罪の意識に苛まされた。
「我慢できそう?」
「最後まで手伝ってあげますよ」
躯のすぐ横に密着し、なまめかしい動きを伝えてくる女体を意識して、少年の腰が疼いた。先ほどの夢で、濃密な快感がまだ抜けずに少年の体中を渦巻いている。お陰で腰に全く力が入らず、半病人のようにしか歩けなかった。
再び少年の性欲に連動して、繭がまた濃密な刺激を始めだしている。苦痛とは違う意味で、少年には我慢が必要だった。
どうしても顔が赤くなってしまう少年を、少女二人がどんどん先へと運んでゆく。少年が見せた、僅かな躊躇など全く関係なく、荷物のように運ばれていった。
「今にも駄目になっちゃいそうね」
「駄目になっても大丈夫ですよ。最後までいいんですよ」
熱が出たみたいに顔を赤くしている少年を励ましてくれているのだろうが、妄想に捕らわれた少年には刺激的な会話だった。歩く毎に巧みに躰を押しつけられていた少年は、二人の美少女に抱きつかれているような気分を味あわされている。バスの中みたいに前後を挟まれている訳ではないが、左右からがっちりと支えられて人通りのある道を歩かされるのは、どことなく倒錯的な感情を呼び覚まされる。
一歩一歩進む毎に横の少女の柔らかな肉体を、自分の体で直接体感してしまう。筋肉の動きや、伝わってくる振動さえ、まるで自分への愛撫のように感じられてしまう。それだけでなく、繭が歩みに会わせて、素股の感覚をペニスに再現していた。歩いているだけなのに、少年は素股プレイを受けながらマンションを連れ歩かされているとしか思えない状況に追いやられていた。本物の腿の感覚が両隣から与えられているだけに、余計快感が増幅されてしまう。
このまま歩いてゆけば、また逝ってしまいそうだ。しかし、二人の少女は全く耳を貸さなかった。同見たって、少年が自分で歩けるようには見えない。少女達が手を放すわけにはいかなかった。ぴったり寄り添う少女のお陰で、歩くたびに、頬が必ず左右どちらかの娘と触れてしまう。くっつくような距離で挟み込まれて運ばれるのは、バス内での状況が再現されているかのようだ。
あの時の気持ちよさを思い出すと腰が砕けてくる。だが、二人はしっかりと少年に寄り添いながら歩みを進めてゆく。
「して欲しいことがあったら、どんどんいってね」
「遠慮しなくていいんですよ」
少女達は、まるで三人四脚をしているかのように、少年と脚や手を密着させたまま歩き続けた。一歩ごとに、くねる少女の腰の動きがそのまま少年の腰へ左右交互に伝わってきた。
「最後まで、ちゃんと、してあげるわよ」
「由香が、どんなことでも、してあげますよぉ」
少年をいたわる二人のセリフが、何故か官能的に聞こえて仕方がない。そろそろ、焦らすような間接的な刺激ではなく、もう少し直接的な刺激が欲しくなってきた。いよいよどうかしてしまいそうだ。
「もう駄目かしら?」
「我慢しなくてもいいんですよぉ」
まさに限界に達しそうな瞬間に、二人の少女が少年の耳元で少しかすれた色っぽい声を出すのだ。肩を並べた至近距離から放たれるその囁が、少年の性感を直撃する。そんな風に聞こえるのは、大分溜まっているに違いない。次にまたそんなことを耳元で言われたら、本当に我慢出来ないかもしれない。
少年は早く安全な自分の部屋に辿り着くことを願った。
繭はどうやら、素股攻撃が気に入ったようだ。二人の少女どちらかの歩みに合わせて、素股に挟まれた感触を分身に浴びせかける。沙織のすらりとした長い脚、由香のムッチリとした肉付きのよい脚。二種類の甘美な素股で責め立てられる。不思議なことに繭のもたらす快感に負けそうになった少年が歩みを止めれば、繭の攻撃は止まった。ただそれでも、少年の快感をかき立てるように、低く深い蠕動だけは続けられた。常に少年が快感の炎で焙られているように。
「駄目なときは教えてね」
「フフ、ちゃんと合わせてあげますよ」
限界に達しそうな少年が体を硬くして歩みを止めれば、すかさず少女達が妖しく囁きかける。
しかも、少年が繭に耐えるために体を固めているにも関わらず、少女達によって強制的に運ばれてしまうのだ。
まるで少年の体が宙に浮いているかのような酩酊感があった。あまり揺らさないで。揺らされると繭が素股をしてきちゃう。自分でも思考力がなくなっているのが判るが、この快感の前にはどうしようもなかった。
「ウフッ」
「フフッ」
少年が身を強ばらせる度に、少女達が嬉しそうな笑いをこぼした。ふわふわとしていて、現実感がまるで無かった。まるで自分が少女達の手の上で踊らされているように感じた。
広い廊下を歩いているのにも関わらず、二人の少女から芳しい香りが放たれているのがはっきりと感じられる。食虫花のように妖しく濃厚な香り。男なら誰でも思わず引き込まれてしまいそうな、素晴らしい芳香。そんな香りを少女達は強烈に発していた。
「いいんのよ」
「ほうらぁ、もう限界でしょ」
少年が歩かなくても大丈夫と告げる少女達のセリフも、理性を失わせるような香りの中では、別な言葉を連想してしまう。少女達の度重なる妖しいセリフに、少年はもう足を動かすことが全く出来ずに連行される。
少年が動かなくても、角を曲がるたびに弾むような腿の柔らかさが少年を脚を直撃した。二人の少女は、その体で少年の五感を魅了しつつあった。
「駄目っていっても、ちゃんと連れて行ってあげるわ」
「ええ、限界なんか軽〜く超えさせてあげます」
今にも崩れ落ちそうな少年を、少女二人は励ましながら運んでゆく。幸いなことに車内で見た夢とは違って、少女二人は少年を撫でるなど破廉恥なことは一切せず、事務的に歩いてゆく。
あと少しだ。もうすぐ、自分の部屋で休む事が出来る。めくるめく一日だったが、少年には休息が必要だった。さもなければ、連続する官能に炙られて、頭がおかしくなってしまいそうだった。だが、もうすぐ安息の場所に戻れるという思いに捕らわれて、両脇の少女が肉食獣のような笑みを口元に浮かべていることに少年はは気付いていなかった。
部屋の前でポケットから鍵を出す少年を、二人は食い入るようにじっと見つめていた。両脇を蠱惑的な少女に挟まれて、少年の手は少し震えていた。その手は、インターホンを押さずに、鍵穴へキーを差し込む。それを見て、少女達がますます口元の笑みを広げていることに、少年はまだ気付かなかった。”家の中には誰もいないのね”そういう笑みだった。
「本当はもう、イっちゃいそうなんじゃない?」
「エッチだよね」
扉を開いた途端に、左右から同時に囁かれる。更に両耳を少女にしゃぶりつかれた少年が全身を硬直させる。ステレオで囁かれる言葉の意味が、時間差を置いて両耳の中間、つまり少年の脳内で炸裂した。
((じゅるじゅる、ちゅるちゅる))
両耳から快感を流し込まれながら、少年は悟った。
彼女たちは、少年が単に具合が悪くて気絶したのでは無いことを、ずっと知っていたんだ。今までの会話は、それを知っていていの事だった。そしてその上で少年が逆らえないように、自分達の体を巧みに使っていたのだ。絶頂の手前に追い込まれた少年が、最後の救いを彼女達に頼らざるを得ないように。そして今二人の少女は、家の中にまで入ってこようとしている。快楽漬けにされた少年には、もはや二人の淫猫を拒む力が殆ど無い。
普段ならば美少女二人を家に招き入れるなど、願っても無い事だろう。しかし繭を付けたまま、少女二人と密室に入るわけにはいかなかった。そんな少年の葛藤を知らず、美少女二人は少年を絡め取る手管を益々発揮させてきた。
「他に誰もいないんでしょ。一人じゃ直らないわよ」
「直ぐに、うんと気持ちよくしてあげる」
扇情的なセリフと共に目をじっと見つめられる。四つの目が少年を見つめている。多勢に無勢だった。しかも、何故か家に誰もいないことがバレバレだった。そういえば校医との会話を、少女達も耳にしていたのかもしれない。
少し開かれた玄関を守りつつ、ドアの影で少年と少女達が押し合いを始める。軽い膠着状態が続いたが、背後から複数の足音が近づいて来るにつれ、均衡が崩れる。近くの号室の人達かもしれない。玄関先にこれ以上長居は出来ない。
「ねえ、見られてもいいの?」
「もしかしてぇ、人に見せ付けたいんですかぁ」
入口で踏みとどまろうとする少年の背中に、綺麗な曲線を描く二つの胸が圧力をかけてくる。扉の影に入っていることを良いことに、外での態度とはうって変わっり、首筋へ息を掛け始める。敢えて力を入れずに体をくっつけて、まとわりつくように柔らかな女体を少年に意識させる。どうすれば少年を落とせるのか、二人ともバスの中で十分に知り尽くしていた。
甘い電撃が、散々責められた記憶と共に少年の神経を駆けめぐる。簡単にぐんにゃりし始めた少年の体は、踏みとどまる力を休息に失う。纏い付く淫獣二匹と共に、少年は今にも扉の中へ押し込まれそうになった。
広間で人に見られていても、
教室で周りに気付かれそうな状況でも、
更にはバスの中でさえも、少年は人目をはばからずイキそうだったのだ。いや、実際には繭が射精を封じているので脳内のみ逝かされ、一発も打ち出せないままだった。だが、今二人に手伝ってもらえば、繭が貼り付いていても、なんとかなるかもしれない。ただ、どうやったら繭を見られないでいられるか。
「ほらぁ、早くぅ」
「ふぅん。もしかしてぇ、焦らせているつもりなんですかぁ」
左右から襲いかかる悪魔の囁きに、少年の理性はグズグズになった。
本話について、是非下記アンケートに御協力ください。
問1:この後、
少年の家以外の場所に行く
二人の少女と共に家の中へ入る
理性で二人を帰す
繭のことがばれる
妖女が二人を追い返す
繭が大暴走する
繭が破壊される
ご協力有難うございました。(12/26回答締切)
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管理人:鷹巣 椎茸