初版:2006/12/04
改定:2006/12/04
取れない繭 06(翌日、下校時・後編 TypeB)
※ 本作は、とろとろ 氏
「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。
|
ver b1.00
ところが、いつも攻めの淫技を多発的に仕掛けてくる由香が、次の行為をまだ何も始めてこなかった。
「こんな香水なんか付けちゃってぇ。いけないんだぁ」
今までの強烈な責めから一転して、甘えるような声を出している。
「いけないんだぁ」
何故か由香は、先ほどから同じ事ばかり繰り返している。彼女は前とは比べものにならない位のゆっくとした動かし方になっている。セックスで攻めると言うよりは、まるで味を確かめるように少年の首を舐めていた。
どうも少年の肩に顔を埋めきった由香の目が、焦点を失いつつある気がする。
「ねぇ、何をしているの」
反対側の耳元での声に、背筋が凍った。
沙織だった。決して忘れていたわけではない。ただ、思い出す暇を、由香が全く与えてくれなかったのだけれども。氷のような口調が気に掛かる。全く、何をしていることになるんだろう。少年は、由香に答えて欲しかった。
「何にそんな夢中になっているの?」
由香を防ぐために片側の手へ全力で力を込めれていれば、反対側の、つまり沙織と繋がっている手にもかなり力が入っていたに違いない。つまり少年が何らかの行動をしている事は、沙織に筒抜けになっていたと。
「私には言えないようなこと、なのかしら」
一言一言区切って発せられる沙織の言葉は実に怖かった。だが、由香はこの声を聞いても、少年の胸元でぼんやりしたままだ。
「どうなの」
声の発せられる位置が、だんだん高くなってきている。つまり、沙織が伸び上がって少年の前を見ようとしている。心臓が飛び出そうとは、こういう事態を指すに違いない。少年の胸元で弛緩しきった由香を見られたら、何がどうなるのか。少年には皆目見当も付かなかったが、破滅的な危機感が少年に物凄い危険を警告していた。
ビキッ
っという音が、擬音では無しに聞こえた気がする。今まで暖かかった背中が、凍るように冷たく思えるのは何故だろう。それに、死刑宣告を待つ囚人の気分が判ったような気がするのも不思議だ。
「どういうことかしら」
何か、感情も、抑揚も全く付いていない声だった。それなのに、震えが止まらないほど怖い声に聞こえる。少年の肩口に、背後から無理矢理その顎を載せて沙織は呟いた。
「あなたに、聞いているのよ」
何か、正解を思いつかないと命が危ない。本能がそう告げていた。
(じゅるっ)
だが、少年には答えるチャンスが無かった。夢見心地のまま、由香が少年の左首筋をまた舐めたのだった。前からの快感と、後からの恐怖で少年はガチガチに硬直した。今の、右後からでも見えた?だろうか。
「由香は”大事な”私の後輩なのよ。判っていて?」
一体どっちだ。
「なんで、由香を抱きしめているの」
やっぱり、見えてる?でも、少年が由香を抱きしめているわけではない。由香がしなだれかかっているだけだ。いいわけじみているが、本当にそうなんだ。いくら少年がそう思っても、沙織から見れば少年が強引に由香を抱きしめているようにしか見えないのだろう。
「着やせしているけれど、胸が凄く大きいでしょ」
だから、違うのに。それにそんなことを言われると、余計体に掛かる由香の感触が気に掛かってしまう。
「もう片方の手、どこにやったの」
由香の手でブロックされてます。でも、沙織は少年の弁解など全く待たずに矢継ぎ早に言葉の矢を放つ。
「ひょっとして、由香の身体中を撫で回しているのかしら」
全然そんなことはしていない。ただ、そうしたのと同じぐらい由香の身体を味わされてきたけれど。
「貪欲なのね」
貪欲だったのは由香なのだけれども。沙織は、更に想像もしなかったことを言ってきた。
「それで、とうとう彼女に素股までさせているのね」
一体何の話か?いや、確かに少年は由香に密着していて、彼女の臀部が少年の腰にぴったりくっついているけれど、まだそんなやましいことは一切していない。していない、・・・、筈だ。由香はチャックを降ろせなかった、と思う。いや、・・・、多分。
分身に何か素肌が当たっている気がするが、絶対気のせいだ。第一、分身は繭の中だから何かに当たっても、それを感じる筈がない。それなのに、分身には太腿としか思えないものが触れている。
「バスの中で、そんな事をしているのね」
してない。見えないけど、多分してない。このスベスベした瑞々しい張りは、沙織を攻める由香の太腿にそっくりだが絶対違う。違うはずだ。
「いやらしいのね。バスの振動を利用して素股なんて」
そんな筈は無い。ピッチリと閉じられた太腿の間に分身が徐々に入り込んでいくこの感覚はあり得ない。バスの揺れが由香の肉を振るわせ、身動きしなくても淫靡な刺激が分身に伝わってくるけれども、これは違う。
「バスが揺れるたびに、抜き差しするのね」
沙織の言葉通りの快感が分身に押し寄せている。由香が揺れに対して脚を踏みしめるたびにムッチリとした圧力が、揺れて押されるたびに分身が狭い腿の間をニュルニュルと前後する。
「とっても気持ちよさそうね」
気持ちいい。沙織の言葉を、何故か否定出来ない。少年の見えない部位に、沙織の言葉通りの感触が次々に湧き起こる。
「由香が汗ばんでいるわ。いい香りでしょう」
さっきよりも、由香の香りが激しく立ち上って、少年を強く包んでいる気がする。
「太腿まで、汗ばんできたわね。ふふ、ヌメヌメするんじゃない」
分身はローションを塗り立てたような、極上の肉塊に挟まれていた。スベスベする素肌とはうって変わった強烈な擦れ方。沙織のすらりとした太腿を割り裂く、由香のムッチリとした太腿。色も艶も申し分なかった。あの見事な太腿に、分身が閉じこめられていた。脱出しようにもカリ首が引っかかるほどの素晴らしい弾力、いくらでも吸い込むようなその滑り。肉の美獄だった。あり得ない。でも、確かめられない。
「そればかりか、由香が舐めてくれるのね。口一杯の唾液を、貴方に塗りたくってくれるのね」
その言葉に、由香が少年の首筋を強く舐める。またしても、唾液が少年の首筋に塗り広げられた。いや、それだけではない。少年の分身の先端にも同じ事が起こった。分身もまた、由香の舌で舐め上げられていた。その唾液で太腿の間の逸物は、ますます滑りが良くなる。由香の口はここだ、あそこに有るわけではない。もう、少年には訳が分からなかった。
「私も、また、塗ってあげるわよ」
沙織が耳中へ、妖艶に囁きかけてくる。保健室の時の事がまざまざと思い出される。瞬間、沙織の呪縛が完成するのを感じた。服を着ているにもかかわらず、少年は上半身全部を同時に沙織の舌が舐め回り始めるのを感じ取った。皮膚と、肉の間を見えない舌が通過するような強烈な快感。少年に染み込んだ沙織の唾液が何か影響を及ぼしているのは間違いない。全身を這い回る舌の数がどんどん増える。二個や三個ではなく、無数の舌が少年の肌をはいずり回る刺激に、もうとても耐えられない。
「も、もぅ(ニチュッ)」
少年が上げかけた嬌声は、由香が巧みに口を合わせて封じてしまった。下から伸び上がるように少年に巻き付く由香。同時に、由香の太腿が強烈に少年を締め付ける。分身を挟んだまま脚を激しく擦り動かし、接触面積を最大に増やしながら唾液と皮膚を強烈に擦り合わさせる。激しく混ざった液が、熱いドロドロになって怒張を覆う。思わず振り立てそうになった少年の腰は、由香と沙織の強力なサンドイッチにより固定され、前後に動かせない。腕はそれぞれ彼女達に決められ全く身動き一つままならずに少年は、彼女らが織りなす肉の枷に閉じこめられていた。自分では全く動けないのに、まるで大きな繭にくるみ込まれたかのような甘美な愛撫を前から後から全身に施され、少年は未だかつて来たことのない絶頂へと一気に駆け上がっていった。
前へ 次へ 戻る
管理人:鷹巣 椎茸