初版:2006/12/02
改定:2006/12/02
MEGAZONE WORLD - 二次創作 - 取れない繭

取れない繭 06(翌日、下校時・中編)TypeB


※ 本作は、とろとろ 氏 「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。


ver b1.00

「先輩」

ふと気付くと、目の前の由香が小さな声で自分を呼んでいた。目立たぬようにしたつもりだが、しっかり気付かれていたようだ。

「先輩は沙織さんの何処が好きなんですか」

思わず咽せそうな質問だった。誰にも話したことはなかったが、少年が密かに沙織を気に入っていたことに由香はあっさり気付いていたようだ。沙織お姉様一筋の、由香だからこそかもしれない。少年はこの会話が、後の沙織には聞こえないことを切に願った。

「ひょっとして、体目当て、とか」

目の前で扇情的な肢体を揺らす由香の口から、そんな刺激的な言葉が紡がれると、ちょっとドギマギしてしまう。いや、同時に少年の分身も淫らな刺激を浴びていた。繭が、また動きだしている。先端から根元にかけて、包み込むような蠕動が絶え間なく発生していた。蠕動は常に一方向なので、まるで狭いトンネルに限りなく分身が吸い込まれているかのように気持ちいい。

「ふふ、そんなこと無いですよねぇ」

何故か、背筋がゾクッとした。繭のせいだけでは無い。多分、少年を振り返る由香の仕草がどことなく誘惑的で、更に至近距離にその顔があるせいだろう。

「あれぇ、勃っちゃいましたぁ?」

蠱惑的な息を吹きかけながら、由香がハッとするほどの艶然とした表情を浮かべてみせる。つい、その顔に見惚れた途端、股間をまさぐっている手に気付いた。絹のように滑らかな肌触りがする女の手。まさか由香の手?既にジッパーにまで取り付いていたその手を、必死にブロックする。万一、繭に触られでもしたら。あの存在がばれたら、もう学校には居られない。

「隠してもぉ、だめぇですよぉ」

嬉しそうに由香が囁いてくる。後ろ手なのに、由香の手は目でも付いているのかと思うほど的確だった。慣れているのだろうか?

「なぁんてね。えへっ」

少年の股間に取り付いていた由香の手が、懸命に防ごうとしていた少年の手を一転して握り締めてくる。いくら後ろ手とはいえ、由香の両手対少年の片腕ではそもそも勝負にならない。

「うふふ。上が、隙だらけですよ」

由香がうっとりとした声を漏らしたのは、既に少年の首筋を下から上まで、唇でタッブリと舐めた後だった。少年に声を掛けたときには既に下で由香の手が動き、手の動きに気付かせたかと思うとそれは囮で本当の狙いはここだった。常に由香は少年の一歩先を取っていた。小さな技など考えなくても自然に出るくらい、日ごろから鍛えられているとしか思えない動きだった。

「先輩、まだまだ、うぶなんですね」

不敵な言葉と共に、どさりと少年の胸に熱い塊が飛び込んできた。力を巧妙に抜いた由香がもたれかかって来たのだ。腕を下で絡め取られているので、その柔らかな体を押しのけることが出来ない。少年の上半身にぴったり由香の背中が密着し、素晴らしい触れ心地を伝えてくる。そればかりか、由香は巧妙にリズムをつけて少年に体を押し付けてくる。ただ体を当ててくるだけなのに、そのムッチリとした体付きがリズムと共に体へ直に伝わってきた。

「おやぁ、抵抗しないんですかぁ」

由香が首筋を何度も舌で撫で上げながら聞いてきた。仰け反る様に少年に寄りかかった由香の尖った顎が、少年の首元にピッタリと張り付いていた。少年の動きに巧妙に合わせて由香が体をしなだれかからせるので、どうやっても首筋から由香の舌を外せない。由香の唾液が塗りつけられ敏感になった肌を、少年は何度も同じように責められた。

「それとも、とーっても、気持ちいいんですかぁ」

下から少年の目を見上げながら、ひたすら舐め続ける。首筋へ一方的に注ぎ込まれる快感に耐え切れず、思わず少年の手が震えた。握りしめた手でそれを感じ取ると、由香は顔を綻ばせた。

「好きなんでしょう。こういうの」

言葉を返そうとした少年の喉を、またしてもネットリと舌で攻め立て、満足に返事さえさせない。少年の喉元に貼り付いたまま一ミリも離れない由香の舌は、次々と少年の理性を削り取っていく。少年が下を見ても、首筋に埋もれた由香の舌は死角に入ってもはや見えない。ただ、視界一杯に、どこか男を引きつけてやまない由香の小悪魔的な顔と、挑戦的に自分を見上げる瞳だけが映っていた。

「それでねぇ、そのうち由香がぁ、この手を離すとぉ」

由香の手は、いつの間にか少年の手をくるむ様に撫で回している。百戦錬磨の手つきだった。

「男の人って、一人でオナニー始めちゃたりするんですよぉ」

もし、手を由香に押さえつけられていなければ、少年も間違いなくそうしているに違いない。由香は遠慮なく体を少年に与えてくれているし、今ここでそんなことが出来たら、どんなに素晴らしい事だろうか。

「ね、したいでしょ」

目を見つめながら囁かれると、そうさせてくれと懇願したくなってくる。

「しいたい、よね」

由香は執拗だった。少年の表情から、気持ちを読み取ったに違いない。弱点を見つければ、的確に追い討ちをかけてくる。

「もっとしたくなっちゃおうか」

由香の体が激しくクネリだした。細い両肩が流れるように少年の胸板に押し付けられる。揺れる由香の後ろ髪からは濃厚な甘い匂いが香る。熱帯のフルーツのような、食べ出したら止まらなくなるようなコッテリとした甘さ。そんな食虫花を思わせる、芳香だった。時折ちらりと見える、彼女の首筋からの匂いだろうか。少年にすっかりもたれかかっているので、彼女自身の体がいかに軽いか、それでいて要所々にどれほど淫らな肉がみっちりと付いているかが、触ってもいないのにはっきりと判る。いや、強制的に判らされた。

「バスの内でそんな事をし始めたら、もうお姉様のいるこの街にはいられないよね」

暖かな吐息を少年に浴びせながら由香は、自分の体がいかに素晴らしいかを少年に動きで暗示し、破滅に向かわせる妖しい言葉を囁き続けた。

「でも、したくなっちゃうでしょ」

身動きするたびに発散される彼女の香りに、少年が興奮するのを確かめながら、由香は責めの手を一切止めなかった。そして彼女の責めは、途切れることが無かった。由香の意図が判っても、既に少年は自分の行動に殆どブレーキを掛けられなくなっていた。

「手伝ってあげるから」

上に少年の意識を集めたのは、例によって次の行動への下準備に過ぎなかった。今まで少年の手を抑えていた由香の手が、再び少年の下半身を襲う。

「ふーん。まだ理性があるんだ。」

必死に防ぐ手を余所に少年の腰へ、ぐっと大きなものが押しつけられた。それは、破壊的な引力を発揮していた。少年の全てを吸い込むかのような弾み心地だった。押せば押した分、いくらでもその中に深くのめり込む。ところが、引けば引いただけ、離すまいと絡み付くように吸い付いてきた。彼女の臀部は、逆らいがたい弾力を持っていた。

(もう、駄目だ)

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管理人:鷹巣 椎茸