初版:2006/11/20

改定:2006/12/10

MEGAZONE WORLD - 二次創作 - 取れない繭

取れない繭 05(翌日、少女×沙織)


※ 本作は、とろとろ 氏 「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。


ver 01.03

見事なプレイに由香は感心していた。他人には見えないように少年を拘束しながらも、淫技から逃げられない彼を一方的に、それも陰からひたすら嬲る。傍目には、ただ少年が勝手に喘いでいるようにしか見えない、高度な責めだった。お姉様があそこまで男を責める事が出来るなんて、思ってもみなかった。ただ、流石に二人がかりでないと駄目なのだろう。私ならば、一人で十分ね。でも、何故私を呼んでくださらなかったのかしら。それに最後の責めは、お姉様がどんなテクニックを使ったのか、由香でも良くわからなかった。

「お姉様。あの男の子を責めるのに、どうして由香も呼んでくれないんですか」

今回は、何故由香を呼んでくれなかったのだろう。気絶した少年から離れた沙織が、ぼんやりとしながらフラフラこちらに歩いてきた時に、思わず声をかけてしまった。

「な、何もしていないわよ」

しっかり見られていたにもかかわらず、しらばっくれるつもりらしい。いくらお姉様とはいえ、そんな態度に少しカチンと来た。

「あれだけ身体中舐め回していたのに、何もしていないって言うんですか」
「な!?、馬鹿なこと言わないで。そんなことしてないわよ」

あくまでもシラを切るつもりらしい。

「今の今まで、ずっとキスしていたじゃないですか」
「見ていたのね」

当たり前じゃないですか。

「あの子の体を舐め始めるところから、今の濃厚な口付けまで、全〜部、見てましたよ」
「顔を眺めていただけよ。それに、ちょっと唇が触れたかもしれないけれど、舐めてなんかいないわよ」

保健室であんな事をしていながらも、全く認めないつもりらしい。それならこちらにも考えがある。

「きゃ」

快楽でふらついている彼女を膝上に引き込む事など容易いことだった。素早く手を服の中へ這わせ、逃亡を妨げる。

「ねぇ、やめて」
「暴れると、服が破けてしまいますよ」

沙織の懇願にもかかわらず、胸元に手を差し入れている少女が沙織の乳を揉みしだいている。服の上からでも、その動きがハッキリと分かる激しさだった。服越しでも沙織の大きな乳房のラインが綺麗に分かる。その服の輪郭に沿って、手のひら大の小さな膨らみが走り回る。沙織の服の中で、少女の手が蠢いていた。

「お願い、やめて」

何故か沙織は口で懇願するだけだった。少年を気絶するまで登り詰めてさせてはいたが、自分は最後まで行っていないに違いない。由香の読みは正しいようだった。敏感になった沙織の体は、愛撫を受け付けこそすれ、全く拒まない。由香の手つきを拒めるものは、そうそういない。ただ一人、由香の手をかわし続けていたお姉様に、今ようやく手が届こうとしていた。

「あっ」

由香は沙織に巻き付くようにしながら、胸の中へ手を入れていった。ネットリと沙織の乳を揉みながらも、反応をじっくりと窺う。沙織が手を動かそうとでもすれば、うなじに寄せられた由香の口から出た舌が、ザラリと首筋を舐め上げ動きを封じる。由香は沙織の反応を巧みに引き出しては、逆らえないようにその体を操っていた。

「ね、もういいでしょ」

沙織は一方的に快感を高められていた。逃げようとすればかえって多くの淫技で悩まされるので、身動き一つ出来なくなっていた。由香は沙織の状態が手に取るように良くわかっている様だった。今度は、自分の上に抱えている、沙織の腰を責め始めた。

「もうそろそろ、…・ひゃん」

確かに沙織は隙だらけだった。少年の寝顔を見て、ぼんやりとなっていた。自分が先ほどまで、もっと凄いことをしていたのは露ほども記憶になかった。それにしても、今日の由香の指は魔指のような威力を発揮する。普段なら軽くあしらえていたのに、今日の指使いは軽く沙織を圧倒してしまう。ただ沙織は、由香の指が一日にしてそのような神業を発揮しだしたのではなく、単に今の自分が普段の何倍も快感を受けやすくなっているだけだということを判っていなかった。

(むちゅっ)

沙織が座っていた由香の脚が動き出した。脚をそろえて綺麗に座っていた沙織の足を割り裂くように、由香の太腿がせり上がってくる。二人の肉付きの良い太腿がムッチリと擦り合わされた。長い脚をスッと絡め、暴れられないようにする

「お姉様、どうしていつもみたいに沙織を呼んでくれなかったのですか」
「そ、それは」

沙織の注意が下に移るのを見て、由香は手を乳から引き抜いた。発情した沙織乳が染み出す分泌液で、手の滑りは良かった。由香は、それを味わうかのようにタップリと自分の手を舐めた。唾液にまみれになったその手を、再び沙織の胸元に埋めてゆく。沙織の反応を見越したその巧妙な責めに、どんどん体が融けてしまう。

「いつもは、『後は沙織に任せてあげる』っておっしゃるのに」
「ぁ ん、んん」

唾液をローション代わりに、鮮烈な快感が乳房を這い回る。しかも、由香は単に掌を這わせているだけではない。ムッチリした乳を捏ねて離すときには、手に張り付くような吸着力を利用して沙織の感度を高めていった。まるで胸を舐め上げるようなその愛撫に、沙織は声も出せずに喘いだ。

「お姉様、あの子も由香にくださるんでしょう?」
「…」

喘いだ喉元を見逃す由香ではなかった。後ろへのけぞった沙織の首筋に、背後から口を寄せるとチュウチュウと吸い始めた。

「ひっ、ぁ、あ」

背後の責めから首筋を逃がそうと、前に体を倒せば、余計由香の手に自分の乳房を押しつけることになる。過大に高められた胸の性感は、由香の手が動くたびに体が飛びそうな快楽を沙織に与えた。前に絡みつく由香の手によってタップリと乳房全面に耐え難く捏ね繰りまわされる。

「こんなに体がしなうなんて。流石お姉様の躯は柔らかいですね。ただ、あんな男の子に、お姉様自ら相手をしてやる必要は有りませんわ」

その胸の責めから後ろに逃げようとすれば、肩口に顎を乗せている由香に再び首筋を舐め回された。前に、後に、次第に大きく体を振りたくりながら、沙織は快感の増大するループから逃げられなかった。

「お姉様はいつも言い寄る男に全然興味ないじゃないですか。それをみんな由香に譲って下さって」

耳をしゃぶりながら由香が囁きかける。

「だからあの子も、私の犬にしていいですよね」

静かに囁いているようでいて、制服の胸部で手型をした輪郭が激しく蠢く。はだけた襟に差し込まれた手が内部で凄まじい責めを行っている。絶え間なくすりあげられる太腿は、座っているだけでも快楽を下から浴びせかける。ネットリと絡み合う二つの女体が織りなす扇情的な光景が、未だに繰り広げられている。少女は、じっくり時間を掛けて沙織を陥落させようとしていた。

「ふふ、何時までも由香だけのお姉様でいて下さいね」
「ぁ、んん。ぁぁ」

今や沙織は、口を開いて涎を垂らしていた。予期していたのか、少女は手にそれを掬うと、新たな潤滑剤として沙織の巨乳に塗りまくった。沙織は、自から少女の責めに協力しているような物だった。沙織が十分にほぐれたのをみて、少女は責めを変えてきた。

「お姉様、本当に止めて欲しいんですか」
「ん、やめ、ん、や、あん」

沙織が喋ろうとする瞬間に、少女のもう片方の手が股間に忍び込んできたのだった。グッショリ濡れた下着の上から、優しく下の口を撫で回す。

「よく聞こえませんわ。止めて欲しかったら、そう言って下さいお姉様」
「だかや、や、ぁ、ん、ぃぃぃ」

沙織の目から、涙がこぼれ始めた。快楽漬けになった沙織がもはや逆らえない状態にあるのを見て、少女は妖しく微笑んだ。

「お姉様、さっきは何をしていたんですか」
「ぅひ、あぃぃぃ」

少女は沙織に返事をさせたいわけではないらしい。胸、首、股間の三カ所を同時に責め立てて、沙織に全く返答させなかった。

「清楚に見えるお姉様が、こんな風になるなんて」
「だぁって、あふぁたあ、ふぉほに、ぁ、いふゅって」

少女は沙織の片乳ばかりを熾烈に責めた。ピンク色に染まった沙織の体において、ひときわ真っ赤に充血した乳。それを徹底的に少女が嬲る。普通に撫でられたら痛みを感ずるぐらいに敏感になった肌を、絶妙のタッチで愛撫する。沙織を執拗に責めながら、由香は少年が居いつの間にか意識を取り戻し、じっとこっちを見ていることに気付いた。またとないチャンスが飛び込んできた。

「ほら、彼が見てますよ」
「ふょんなぁ、ぅぅぁ、ぁ、ばぁうひぃて」
「さあ、じっくり見せつけてあげましょう」
「ゃ、あ、ぁぁ、かえし、ぁあああてぇ」

水に落ちた虫が、いくら手足をじたばたさせても何処にも動けないように、沙織は少女の膝上に捕らえられていた。由香は沙織の心に深く楔を打ち込むつもりだった。快楽と共に刻まれた楔は、後で容易く沙織の心を裸にするだろう。

「ね。あんなに目を真ん丸に見開いて、お姉様をじっくり見てますよ」
「やぁぁぁぁ」

沙織の太腿を大きく割り裂いて少年に見せつける。間に自分の太腿をネットリと這わせて、ムッチリした太腿が織りなす質感で、少年の目を釘付けにする。持ち上げた太腿から臀部に繋がる綺麗なラインをちらちらと見せては、少年の脳髄に悩殺的な由香と沙織の四枝を刻み込む。この分なら少年と沙織、二人まとめて精神に楔を打ち込めそうだった。

「たっぷり見てもらいましょうねぇ」

身を丸めようとする沙織を嬲り、自分から体を開かせるようにする。沙織には背後から囁く由香の唇しか見えない。後の由香にピッタリ抱きつかれている上に、下からも上からも同時に体を責められる。汗でヌメリを帯びてきた制服が、身動きするたびにこそばゆい摩擦を発生させてしまう。そんなはしたない自分を少年に見られているかと思うと、どうにかなりそうだった。

「ほらぁ、こうすると胸の中が彼に見えますよ」

少年が胸元が覗き込めるように、向こうの方に体を倒される。

まだ服を着ているのに。一枚も脱がされていないのに。しかし、同性ならではのねちっこい責めが、着実な成果を上げつつあった。胸元に忍び込んでいる由香の腕から、熱い何かが乳房の中へと流し込まれる。揉んでいるだけの筈なのに、由香の手のひらから何かが乳内に注ぎ込まれる。由香の手は、沙織の胸をこねくり回すのではなく、注ぎ込んだ何かと沙織の乳肉を混ぜ合わせているとしか思えない。片乳だけがもう一方に比べ断然大きくなっているのが自分でも判る。その重みまで、倍ぐらい増しているような気がする。

「彼、これから目が離せなくなっているわよ」

すくい上げるような由香の手の動き。タップリと持ち上げて、少年に沙織の胸を見せつけている。

「ほら。彼が揉んでいるみたいでしょ」

少年の凝視に晒された胸を、由香が激しく揉み始めた。原形をとどめないぐらい激しく揉みしだかれる。

「彼に触られるのはどう?」

乳内の何かが発火したように、中から熱い。凄まじく敏感になった片乳ばかりを由香が攻める。

「素晴らしい触り心地って、彼も言っているわよ」

少年にも聞こえるように、大きな声で沙織を嬲る。少年は、自分が沙織の美乳を揉みしだいているような気分がすることだろう。興奮した少年が飛びかかってくるのではないかと期待していたが、まだ体一つ動かせないようだ。水面(毛布)下で、余程凄まじい性技を施されていたのだろうか。

「お姉様のオッパイは、柔らかくて、大きくて、とっても熱いんですって」

手のひらを舐めると、唾液に濡れ光る手を開いて少年に見せつけた。そして、そのまま沙織の胸元から中に戻す。襟口からはよく見えないが、前とは違うニチャニチャという音が響きだした。ベッタリ濡れた手が、沙織の乳を揉んでいる音が直に聞こえる。沙織の体がブルブル震えだした。あと、少しで逝ってしまうに違いない。

「触るだけじゃなくて、ここも舐めてみたいんですって」

少年の目つきから、何を考えているのかが簡単に判る。だから、少年の気持ちに由香の声を合わせてやる。由香の声は、自分の気持ちそのものだと少年が思ってしまうように。

「ここ、を」

今まで意図的に触れていなかった、先っぽをコリコリとしてやる。その瞬間、沙織が体を激しくヒクつかせるのが腕にはっきりと伝わってくる。お姉様は、もう落ちる寸前。由香は満足そうな笑みを浮かべた。お姉様の下準備は整ったけれど、後の仕上げは、少年の方にもしておく必要がある。

抱いていた力を緩めると同時にベッドの上へ崩れ落ちる沙織を余所に、由香は少年に近づいた。

「ねえ、私に溺れてみない?。お姉様より、もっと凄いこと、し・て・あ・げ・る」

タップリと溜を効かせて少年の耳に淫らな言葉を注ぎ込む。今まで散々見せつけていた効果もあって、その一言で少年の意識を妖しく絡め取ってしまう。チュッと可愛く舌を付きだし、少年の目を引きつける。そのまま徐々に顔を近づけると、べろっと首筋を撫で上げる。意図的に、沙織が最初に舐めたところをなぞった。この一舐めが種になるのよ。例え今後沙織が少年を舐めてやる事があったとしても、これで少年は由香のことを必ず思い出すだろう。このまま動けない少年の体を放置してやれば、やがて埋め込まれた種が発芽し、由香が与える快感だけを求め出すことを知っていた。由香以外の人間では、その飢えの苦しみを満たしてやることは出来ないだろう。

ただの一舐めだけで良い筈だった。

少年の心に由香を刻み込むのには、一回舐めてやるだけで十分な筈だった。

体が動かない。少年が何かしているわけではないのに、その傍を離れられない。何か、とてもいい香りがしていた。

そして、美味しかった。

・・・

「何時まで舐めているの?ねぇ由香、それは舐めちゃ駄目よ」
沙織にしがみつかれた。

「お姉様。私、まだ何もしていませんわ」
「何よ。ずっと、聞こえないふりして。さっきから、ず〜っと舐めていたじゃない」

そんな覚えは無かった。でも、お姉様が少し正気に戻りかけている。甘美な快楽の中に深く沈み込んでいる筈なのに。ひょっとして、そんなに時間が経ったのだろうか。何故か舌が痺れているような気もしないではない。まるで何かを舐め回し過ぎたように。どうも頭がぼーっとして、良く考えられない。少年から漂う、甘く痺れるような香りが頭の芯にまで入り込んでいた。

「まだ、何もしてません。だって、これからお姉様にいっぱいして差し上げるんですから」
「え、もういいわよ。あ、由香?」

まだ正気に戻り切れていない、甘えたような状態のお姉様をそっと元のベッドに戻す。発情したお姉様の体を目の前にして、頭がはっきりと冴え渡った。今度は覆い被さるようにして、お姉様を包み込んであげる。ふふ、もう、私の中から出してあげない。巧みに沙織を嬲る指使いは、ちょっとなどという生やさしい物ではなかった。指先一本一本が物凄い動きを見せる。

「お姉様は、由香だけのお姉様になるんですよ」

不気味なセリフを吐く少女由香から、沙織は逃れようとするが、全く動きに繋がらない。

「だめですよお姉様。お姉様の体は、もう由香の物なんですから」

沙織の感じる全てを由香は掌握しているようだった。沙織が行動を、まだ実際の動きにしない内に、由香はそれと判るようだった。そればかりか読み取った沙織の動きを封じるよう、更に強烈な愛撫を加えてくる。沙織の動きは、全て自分の快感を高めさせる動きへと変質させられてしまうのだった。

「ふふ、気持ちいいんですよね。お姉様」

沙織は、まるで由香の手に自分の乳を押しつけるようにして体を動かしていることに気付いて愕然とした。由香は、意図的に手の動きを止めていたのだ。愛撫に飢えた沙織の体が、勝手に動いて自分で自分の乳房を揉みしだいていたのだった。

「お姉様、もう片方が寂しがっていますわ」

沙織は、ようやく由香の戦略に気付いた。今まで由香が片方しか愛撫していなかったのはこの為だったのか。ちょっと触られただけでも愛液が溢れ出しそうなくらい敏感な左の胸に対し、右の胸は全く触られていなかった。にもかかわらず、今疼いてしょうがないのは右の乳房だった。触られはしなかったが、沙織は着衣のままずっと制服姿で責められていた。だから右の乳に触られなくても、衣服の生地がずっと皮膚を擦り立てていた。余りに薄くかすかな刺激は気付かない程度の物だったが、蓄積されたその快感は、満たされない刺激を求める呼び水になっていた。

「さあ、お姉様、こっちを向いて下さい」

由香は膝上に座らせている沙織に、自分に向き直るよう声を掛けた。もう、沙織が逆らえないことを確信しての事だった。

「お姉様、向かい合わないと慰めて差し上げられませんのよ」

勝利を確信している由香が、耳元で囁いている。沙織は、自分から上体を捻って後へ向き直り始めた。大人しく顔を向けてくる沙織を、由香は優しく両手で抱きしめた。二人の四つの豊乳がピッタリと重なり、お互いに変形し合った。
寂しかったもう片方の乳も自から、張りのある由香の乳へと擦り付けられる。これからの激しい接触を待ち望んでいた。

「さあ、お姉様」

由香は沙織を手に入れたことを確信した。いつもおふざけ程度のキスしかさせてくれないお姉様が、いまや完全に由香の手中にある。このまま小1時間もすれば、もう二度とお姉様が由香以外の誰かを気にすることは無いだろう。二人の口が引き寄せられるように、ゆっくりと重なっていった。

(!?)

お姉様の舌が、凄かった。いつもの数十倍、いや数百倍の素晴らしさだった。お姉様の舌が、普段とは違う別な生き物に変わったかのようだった。由香の舌が、まるでバターで出来ているかのように易々と溶かされる。

(くちゅっ)

体を溶かされる。自分の体が、口から溶かされていく。お姉様の舌が動くたびに、口腔はおろか、体が溶かされてしまう。こんな舌に、あの少年はずっと嬲られていたのか。今更ながら、先ほどの少年へ責めがどんなに凄い物だったのかを思い知らされた。お姉様の舌が、こんなに凄かったなんて。どうりであれだけ見せつけているのに、少年が動いて来なかったのか、理由が良く判った。

「ねぇ・・・由香。私の・・言うこと・・聞いて・・くれるわね」
「………はい………お………姉様」
「いい・・あの少年に・・手を出しちゃ・・駄目・・よ」
「………ぃ………ゃ………」

体を火照らせたお姉様は、切れ切れに言葉を呟く。それなのに、由香は逆らえなかった。こんな筈、無いのに。私、駄目になっちゃう。既に由香の体は口付けだけでドロドロに溶けて無くなっているのに。溶けて無くなっている自分の体が、まだお姉様を抱えていられるのか不思議なくらいだった。

「いいわね」
「ぃ」
「いいわよね」
「…ぇぇ…」

ええ、お姉様。自分からは手を出しません。由香に出来る、精一杯の抵抗だった。




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管理人:鷹巣 椎茸