※ 本作は、とろとろ 氏 「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。 |
ver 01.01
「汗、かいてるね」
沙織はほっそりとしたその手にハンカチを取って、少年の肌をなぞりはじめる。ハンカチから香水とは思えない、いい匂いがする。沙織は、その甘い香りをしきりに嗅いでいる少年の様子に気づいたらしい。
「御免なさい。私、ハンカチ使っちゃっていたの。私の匂いが付いちゃったね」
謝る必要もない、大歓迎だ。この甘い香りは沙織自身の匂いなのか。
少年は逆にハンカチに興奮させられ、前よりも汗ばんできた。
「こんなハンカチじゃイヤ、だよね?」
そんな少年の心境が分かるはずもなく、少年を見やりながら彼女は新たな解決策を見いだした。
「そう、仕方ないわよね。」
いきなり身をかがめた彼女は、少年の首筋を舌で舐め取り始めた。
「チュ、チューーー」
少年の意識まで吸い上げるような強力な吸引。そして、神経を剥ぎ取られるかのような、凄い快感が彼女の舌先から放たれる。まるで一舐め毎に、肉を溶かされているか、すくい取られているような耐え難い舌の一撃。彼女は舐めるだけではなく、ピチャピチャ音を立てて吸い立てる。嬉しそうに、彼女はひたすら舐め上げ続ける。先ほどまでの怒りは何処かへ消散したのか、今やすっかり妖艶な表情を浮かべていた。
「汗、一杯かいてるね」
「全部、拭いてあげるね」
あまりの快感に悲鳴を上げ続ける少年には構わず、一舐めどころか、舌を少年に貼り付けたまま皮膚一面を覆い尽くさんばかりに動かす。まるで少年の感じるところを探しているように。少年の皮膚は、徐々に彼女の唾液に塗りたくられ覆われていった。彼女は、まるで少年の皮膚に突き立てるかのように舌を激しく何度も押しつけたり振るわせたりする。最初の一舐めはベッタリと彼女の舌の感覚を味合わされ、二舐めからは羽が滑るような感触になり、三舐めからはヌルヌルの愛撫で少年の神経をかき乱す。体に加えられる彼女の責めは、舐め取られる振動を直接ボディに感じるだけでなく、彼女の舌が立てる音も保健室中に響き渡り少年の官能を高めた。
それに合わせて、繭の動きも妖しくなってきた。そう、繭は彼女の舌使いを覚えたのだ。繭は彼女の舌を学習し、少年に繭ならではの舌使いを再現してみせた。繭内部で再現される舌使いは当然少年の肌ではなく、繭内部に捕らえているペニスに対して存分に発揮された。
そう、まるで沙織に舐められているような舌の動きがペニスへ再現される。しかも、その動きは寸分のずれもなく、沙織の舌使いと連動していた。繭はタイミングを合わせることの重要さも判っていた。寸分のズレもなくシンクロした刺激は、沙織が汗を舐め取っているのではなく、ペニスを舐めているとしか思えない。短く小刻みに舐め取ったり、べったりと長く汗を少年の肌から舐め取るその刺激全てが同じくペニスにも注がれる。いや、繭の舌は沙織の舌よりも凄かった。
沙織が首筋から胸を舐めれば、少年のペニスもカリ首から根本へと舌が走る。首筋をチロチロと沙織の舌が這えば、ペニスは繭が作り出す舌によってカリ首を重点的に舐め上げられた。
今や沙織が二人いて、それぞれが股間と胸の上に貼り付いているようだ。二人の沙織は、少年が悦楽の悲鳴をもらしても苛み続けた。少年が声を上げればあげるほど、嬉しそうに同じところをより一層強く啜りあげた。ベッドの上で少年は、まな板の上の魚のように、ただ身をよじり続けることしか出来なかった。ベッドの頭側の端から、身をかがめて彼の胸や首筋をひたすら彼女は舐め上げる。だから少年の視界は、全て彼女の胸で埋められていた。頭上の制服の下に蠢く豊かな双乳。この距離だとその動きがよく判った。
触ってみたい。
しかし、かなわぬ願いだった。
繭の舌に支配されてしまっている少年は、舐められるたびに全身が痺れ、腕さえ満足に動かせない。
少年は悩ましい乳の動きをずっと見せつけられながらも、それに触ることも出来ないでいた。
少年の絶叫も今では弱まっていた。喉がかれるぐらい叫びをあげても、保健室に誰もやってこなかった。もう少年は、かすかな喘ぎ声を上げることしか出来なかった。
頭から覆い被さる沙織が、抵抗も出来ない少年の上半身を舐め続ける。少年の顔のすぐ上に広がる沙織の胸からは、ハンカチから漂った香りより遙かに濃厚な、沙織自身の匂いが直接少年へと降り注いでくる。
あらわになっている少年の肌だけではなく、服の奥まで沙織は汗を舐め取り続けた。今や少年の服は、すっかりはだけてしまった。むき出しになった少年の上半身を、沙織は執拗に綺麗にし続ける。
「おいしい」
無意識に出た呟きなのか、それとも少年をより狂わせようとしているのか、彼女は少年の耳にそう囁きかけてきた。一体彼女は今、何をしているのだろうか。汗を拭き取っているのではなかったのだろうか。保健室で自分を舐め取る同級生の美女。世にも妖しい光景が保健室で繰り広げられようとしていた。少年のために彼女は、一心不乱に妖しい奉仕を続けている。
汗を拭き取る為に。普段見ることの出来ない、その瑞々しい舌を見せつけるかのように一杯に伸ばして少年の皮膚を舐めていた。少年の汗をきちんと取るために、一旦唾液を舌で大量に塗りつけてから、今度は丁寧に削舌でこそぎ取る。その動きに、少年の理性も一緒に削り取られていた。
すっかり首筋から上半身全てが、沙織の唾液によって色を変えられてしまった。
汗とは違う、沙織の唾液の輝きに少年の体は包まれていた。
少年の肌は、皮膚の中まで沙織の唾液に染められていた。
そして沙織は、少年の汗をひたすら舐め続けていた。
少年はひたすら彼女に貪られ続けた。
はだけた服から覗く少年の上半身全面が、沙織の唾液で濡れ光っていた。一面全てを舐め尽くされた少年の肌は、もはや以前のような耐性を剥ぎ取られていた。
一度舐められたところを、もう一度舐められる感触は少年の想像を遙かに上回っていた。一度唾液で濡らされた肌の上を、何の抵抗も受けずに沙織の舌がスムーズに滑り回る。既に唾液が浸透した肌は、表皮が無くなったかのようにダイレクトな刺激を神経に伝えてくきた。まるで沙織の舌は皮膚表面を通り抜けて、少年の体内の神経を直に舐め上げているようだった。
唾液で濡れた肌は吸着力を持っていて、沙織の舌とネットリ密着する。舌が少しでも浮き上がると、皮膚はまるで舌に貼り付いているかのように吸い寄せられ、舌の動きと少年の皮膚が融合しているようになっていた。いまや少年はもう、皮膚だけではなく、神経の一本一本を沙織に舐め蕩かされようとしていた。
少年の上半身は鉛と化していた。あまりの重さにもう、僅かに身を捩ることさえも出来ない。沙織に舐められた部分がズッシリと重くなって、全く上半身が動かない。あまりの快感に全身が痺れてしまい、もはや身動き一つ出来ないのだ。下半身は繭の舌責めで脱力し切っていた。もはや少年は、ベッドに磔にされた生け贄同然だった。
そして何度も執拗に舐められた少年の肌は、風のそよぎでさえも愛撫に感じられるぐらい敏感になっていた。
そんな少年を、沙織は舌でなおも責め続けた。
三周、いや四周になるかもしれない舐め掃除を終え、ようやく彼女は顔を少年から離した。そして上半身を蕩かされ、すっかり抵抗出来なくなった少年の体を、じっと見つめた。
「フフ、ごめんなさい。まだ、そんなところが残っていたわね」