※ 本作は、とろとろ 氏 「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。 |
ver 01.02
「フフ、お食事、手伝ってあげますねぇ」
背後の女性は、少年の手にフォークを持たせた後も、その手を握りしめたままだった。
彼女の白い手袋は、柔らかくて、それでいて何故か肉感的だった。
股間の刺激だけでも対処出来ないこの状況で、手袋の感触がどうしても頭から離れなかった。
妙な素材の手袋は、まるで手袋が溶け始めているかの様にとろっとした肌触りを少年の手の甲に伝えてくる。女性が手を動かすと、少年の手はまるで羽で撫でる様な柔らかさと、同時に液体をトロトロ塗りつける様な刺激を手袋から受けた。溶けて包まれる様なその快感は、手首の中にまで染み込み、そのまま心臓に向けて流れ込んでくるようだった。
少年は刺激の嵐を受け続けて、辺りを見回す余裕が全く無くなっていた。だから、先ほどこの女性が、少年が口元から涎を流し始めるのを見て妖艶な笑みを浮かべていたことなど、全く気づいていなかった。
「はい、あ〜ん」
硬直して少年が拒否の身振りも出来ないのを良いことに、後にピッタリと張り付いた女性は更なる振る舞いに出た。少年の硬直した腕にやさしく手を添え、強引に少年の口に料理を近付けた。少年が冷静であれば、付き人が食べさせたりすることなど、まずあり得ない事に気づいたに違いない。
「さあ、お口をあけてぇ」
手首と、腕と、背中と、耳元に吹き付けられる甘い声と、股間で執拗に蠢く繭の刺激。全てが少年の限界を超えかけていた。口を開こうとして、まだ前のものを食べきっていない事を少年は思い出した。でも、もはや口内の物を咀嚼することさえ出来そうにない。
ちょっとでも口を動かしたら、嬌声が迸りそうなのだ。
「ほら、どうしたのぉ。はい、あーん」
ますます顔を耳元に寄せながらで、女性が少年の手を操りながらフォークを差し出している。艶めかしいその囁きが、耳ではなく少年の頬から内部に浸食してくる。また単に手を添えているというよりも、少年の手をしっかりと手袋で包み込んだまま、小刻みに動かし続けている。
ぼうっとなった少年の目は、フォークに刺さった料理ではなく、囁きかけてくる真っ赤な彼女の口元に釘付けになっていた。女性の真っ赤な口からは、「あーん」という音に合わせて、みずみずしい舌が蠢いているのだ。少年の脳は、もやは会話を理解出来なくなっていた。
少し、かすれたように甘く優しい音と、自分を誘う舌の動き。それが少年に理解できる全てになっていた。
自分の直ぐそばで、軟体動物のような舌が動いている。ぼんやりした記憶から、昨日のリル・マンティスから受けた、凄まじいまでの舌技が浮かび上がってくる。あの舌で、昨日と同じように舐め上げられたら、どうにかなってしまいそうだ。
頭の芯までぼうっとした少年は、女性にまとわりつかれたまま、どんどん理性を失いつつあった。それは女性から立ち上る、悩ましい芳香を嗅がされ続けたせいもあるかもしれない。チョコレートのように甘いその香りは、少年の理性を溶かし、血液を熱くさせる何かが含まれているようだった。
ズン。
ペニスにつよい窄まりが巻き付いてきた。とうとう繭は、どうやったらいっそう少年の官能を掻き立てられるか、ペニスの反応からより相応しい動きを学習したようだ。昨日のような単調さで繭を脹らませたり萎ませたりするだけでなく、今では回転しながら巻き付くような複雑な動きを見せていた。昨日とは違う、慣れない刺激に少年は意識をゴッソリ持って行かれそうになった。もはや少年は自分が何をしなければいけないのか解らなくなっていた。ただ、自分が何かマズイ状況に陥っている事だけは解っていた。
ひたすら耐え続けているものの、少年は全身に汗を浮かべていた。下着や服は、多量の汗を吸って既にグッショリと重たくなっていた。もうじき、水を吸った部分の変色が目立ってしまうであろうほどの発汗であった。水分で重さを増した衣服は、拘束着のような効力を発揮し始めていた。体が自由に動かなくなっていく一方、次々ペニスから生み出される快感に、足の震えが止まらなかった。
今や震えは足だけなく腰にまで及び、力の入らなくなった少年の身体は椅子から崩れ落ちそうだった。だが、そんなグニャグニャになった少年が床にずり落ちないのは、背後の女性が身体をしっかりと支えているからだ。それは、支えているというより、拘束と呼んだ方が相応しいかもしれない。
ようやく、再び繭の刺激が弱まった。硬直状態から解け、少年は何でもない振りを続けようとした。しかし折角の料理に、今までちっとも身動きしなかった少年の態度は、付き人にある決意を与えたようだった。
フォークを突きつけながら少年の口元へ、彼女は真っ赤な唇を近づけた。
「さあ、食べてぇ」
甘い声で囁く。言葉に合わせて彼女は自分の口も開閉させて、少年に食べる事を視覚的に強要する。唇が開いたり合わさったりする都度にその隙間から舌がチラチラと見えた。繭も、少年の視覚にその動きをあわせてくる。いままでの蠢きから、まるでフェラをするような擦りあげる動きへと変わった。
『中で溶かしてあげるわよ』と言わんばかりに、舌が唾液にまみれながら彼女の口内で蠢いていた。悩ましい吐息を吹きかけてくる口を見つめながらだと、まるでフォークによる料理の受け渡しではなく、彼女から直に口移しをされているような気分になる。
同時に、下半身のほうでも繭の中でペニスがまたしても丁寧に扱かれ始めた。まるで山の頂上付近で少し休ませ、更に上へと追い立てるように。そして少年の上半身では口を食べ物で無理やり塞がれ、背中には背後から女体が密着する。まるで抱きつかれているかのようだ。
耳に息を吹きかけられながら、じんわり囁かれると、もう会話としては認識できない。脳へ直接甘い振動となって、吸い込まれていく。
「さあ、食べてぇ。ほら、早く」
何を食べていいのだろうか。
先ほどから女性の語尾は、甘ったるい響きを帯びている。けれども少年は、もはや会話のニュアンスなど理解できない。単語さえもきちんと認識出来なかった。繭も、言葉に合わせて急かすようなピッチでペニスを扱きだした。
ただただ、目の前には淫蕩な表情を浮かべた彼女の顔が、そして甘い響きは顔を透過して脳を揺さぶり、ペニスに巻き付いた繭は人外の快楽を植え付け、背後には女性の軟らかな胸があたっている。傍目にはただ単に、フォークで食べさせて貰っているだけだろう。だが、実際には後の女性に口移しによる強制給餌をされながら、ローションをタップリつけた手で物凄い勢いでペニスを扱きたてられているとしか思えない。
そう、まるで昨日の状況と同じだった。リル・マンティスにガッチリと押さえつけられ、軟らかな体に包み込まれ、卵管でペニスを吸精され続けたあの夜と。
昨日のようにきつく抱きしめられて、射精したい。でも、少年はかろうじて耐えていた。
いや、正しくは繭が、少年をぎりぎりのところで上手く操っていた。
あまりの快感に、少年の目が霞んできた。分泌さえ制御できず、涙で目が潤んだようになった。ぼやけた視界の中で、付き人がじっと少年を見つめていることだけが分かる。
「とっても美味しいわよ」
付き人は一つを自分の口に放り込み、少年に説明した。
ヌメヌメ光る妖しい唇に飲み込まれ、舌に絡め取られて溶かされていく料理を少年は見た。実際には一瞬のことだったのかもしれないが、少年は引き延ばされた時間の中で、その舌の動きにずっと捕らわれていた。
繭もそれを見ていたらしい。
少年のペニスを、存在しない舌が下から撫で上げ、ネットリと絡め取り始めた。
ペニスを舐め溶かすがごとく。
付き人の舌の動きを、繭は正確に再現して見せた。
少年の感じる性的刺激全てを、繭は直ぐに学ぶ。
繭は巧妙に少年の性感を支配下に置きつつあった。
そこまでつくしてあげても、一向に食べようとしない少年に業を煮やしたのか、彼女は少年の腕に自分の手を巻き付ける様にしながらフォークを口の中に差し込んできた。ふわりと少年に巻き付く彼女の制服は薄く、下に潜む肉体の体温とその素晴らしい弾力を、ハッキリと少年へ直に伝えてきた。
食べ物を口にいれたまま、新たなる接触にますます惚ける少年に、付き人の女性イライラは増してきたようだ。フォークがぐりぐりと動かされた。その強い動きで、新鮮なデザートが舌の上で潰れた。
その甘い果肉は、フォークの動きに合わせて少年の舌をねぶるように何度もなぞる。繭も、フォークの動きとピッタリ合わせた窄まりをペニスの先から根本まで前後させ、息のあったフェラチオ感を演出する。柔らかく潰れた果物はタップリと水分を含んでいて、甘い果液が口中に溢れかえる。口を半開きにしたまま閉じることさえ出来ない少年は、唾液の様な粘度を持ったその果汁をそのまま口外へ滴たらせ、涎の筋を増やした。
傍目には、単に食べさせて貰っているだけかもしれない。しかし、少年とっては自分の舌を背後の彼女に蹂躙され、全身を動かすことも出来ず、股間を繭に責め抜かれているのだ。彼女が少年を背後から単に支えているだけの筈だが、少年には上半身を女体で出来たやわらかな肉椅子にガッチリ固定されているようだった。
この甘い罠から少年は全く身動き出来なかった。少年を包み込み、甘く責め続ける音・吐息、肌・圧力・ペニスに執拗に続けられる刺激全てから少年は逃れることが出来ない。状況は、昨日の記憶とピッタリ重なった。
もう、これ以上は一刻も我慢できない。
そんな瞬間、彼女は信じられない言葉を脳に注ぎ込んできた。
「ねぇ、もう限界なんじゃなぃ」
少年の状態を、最初から知っていたのだ。
恥辱に脳が沸騰する様なその言葉と同時に、今まで味わったことのない刺激が少年のペニスに襲いかかった。
ズリュン。
聞いたことも無い音が聞こえた。
破裂するかと思えるほどの射精感。
だが、輪精管を逆方向に遡るこの射精に似て異なる放出感。
と同時に、ペニスの奥底で凄まじい快感が爆発した。
精巣まで直撃する刺激に、目の前が白くはじけた。
今までになく大量に製造された精液が、一気に放出されようとする。
そう、どうせ繭の外に漏れないのだから、我慢する必要は無かったんだ。
もはや少年は人目さえ気にせず、一気に解放感へ登り詰めようとした。
だが、精液は一滴も放たれることはなかった。
凄まじい圧力とともに打ち出された白濁液は、砲口内で塞き止められていた。
繭の中で、何かが輪精管に差し入れられているのだ。
柔らかで細長い、しかし粘体よりも独自の動きを持ったそれ。
鈴口を責めていたジェル状の触手が、とうとうペニスの内圧に逆らって内部へ進入してきたのだった。
輸精管をくぐり抜け、一気に精巣を直撃した触手が、そのまま輪精管を塞いでいるのだ。
行き場を失った精液は、強烈な射精感を少年に与えながらも一滴も漏れ出ることはなかった。
そして過剰な快感は、出口を求めてスパーク放ちながら少年の体内で繰り返し迷走する。
もはや神経が伝えることの出来る限界を超え、神経細胞が焼き切れる寸前になると、少年は
熱さを感じているのか、まぶしい光が見えているのか、身体が溶けかけているのか、自分が
破裂しそうなのか、全ての感覚が混ざり合い、少年の脳に何かを焼き込んだ。
刹那、背後の女性が素早い動きを見せて少年の口へ多量の料理を放り込む。
全身を振るわせながら放たれた叫びはその料理に塞がれ、食事中の広間に少年の断末魔の絶叫が響き渡ることは無かった。痙攣しながら椅子から体を弛緩させて崩れ落ちる少年を、女性はそのまま腕にやさしく抱き留めた。
そんな外の状況に影響されず、繭の中では輪精管から精巣の中にまで触手が伸ばされ、更に精液を製造させ続けた。そして気絶している少年の繭の中では、触手が一時たりとも休むことなくペニスの内部と外から刺激を与え続けていた。目を覚ます頃には、果てることが出来なかった今の快感と、気絶している間の刺激が少年のペニスにタップリ蓄積されているに違いない。限界を遙かに上回る性感が、更に少年を襲うのだ。
手足をだらんと弛緩させ垂らきった状態のまま、少年は付き人の彼女に運ばれて行く。すらりとした彼女のスカートは極限まで長く、足首はチラリとも見えなかった。それなりに重いはずの少年を、お姫様だっこで抱えているにもかかわらず、何故かその足取りは床の上を滑るようにスムーズだった。ふらつくこともなく、床から直立して歩く彼女の立ち居振る舞いは、訓練の賜なのだろうか。
広間から運ばれて行く少年の後ろ姿を、沙織は最後までじっと見ていた。
少年の後にいた付き人の女が、少年を助けて支えているというよりも、少年を椅子へ無理矢理固定していたかのように思えた。でも周りの人は誰も気付いていないようだし、気のせいだったのだろうか。
広間を出ると、まだ昼食会中のこの時間は人気が無かった。
気絶した少年を保健室へ運びながら、その耳元で、付き人の女性がそっと囁いた。
「 強制的に搾り取られる快感と陵辱、まだまだ存分に味あわせてあげる 」