※ 本作は、とろとろ 氏 「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。 |
ver 01.04朝から気になっていたのだが、彼の容態は明らかにおかしかった。
顔色は悪く土気色だし、動きもギクシャクとしていてテンポが遅い。
どう見たって、高熱でも出した病人そのものとしか思えない。
具合が悪いのならば休んでくれれば良いのに。無理に学校へ来ているのは、ああ見えても根が真面目なせいだろう。彼は決してそうとは言わないけれども、文化祭の委員としての責任を果たそうとしていに違いない。そうすると具合悪くさせているのは、文化祭の委員に彼を無理矢理仕立て上げた彼女ということになる。巧妙に裏回しを行って、折角同じ委員にさせたというのに、こんな風に裏目に出るとは心外だった。
何とか休ませてあげたいと言葉をかけても、彼はいつもの様に素っ気なかった。まあ、昼食を取れるぐらいだから、大丈夫なのかもしれない。それでも彼の様子が気になって仕方がない。供された料理の味も、今の沙織にはよくわからなかった。
淡々と食事をしているようでいて、どうも彼の様子が普段と違う。他の誰も何とも言わないところからすると、日頃から彼を見ている沙織だからこそ気づいた変化なのかもしれない。
少年は時折沙織が何か睨んでいるような気がしていた。でも今はそんな事を気に掛けている場合ではなかった。だから沙織にじっくりと観察されていることに、全く気づかなかった。少年の一挙手一投足を見逃すまいと、沙織から鋭い視線を向けられているにもかかわらず、少年の注意はひたすら自分の股間に集中していた。大勢の知り合いがひしめくこの広間で、少年ただ一人が別世界へ取り込まれようとしていた。
先端に何か巻き付くような刺激。そればかりか、巻き付きながら、亀頭を覆い込むような動きをも見せる。反射的に太腿をきつく閉じて、それ以上の侵攻を食い止めようとするが、全く効果が無い。繭の中の動きなので、いくら繭の外側を抑えつけても、内側では好き勝手に少年を蹂躙してくるのだ。
「うぅ」
思わず声が漏れてしま。だが、幸いにも口の中にある食物のお陰で、周囲には聞こえなかったようだ。
「ひぅ」
少年が手をつけられないのを良いことに、昨日のじゅるじゅるがペニスの先端からを緩く飲み込んでゆく。ゆっくり、ゆっくりとペニスは熱い粘液に覆われていく。しかし、それに対して打つ手を思いつかない。この繭に対して、少年は文字通り手も足も出ない状態に置かれていた。それも繭は、ただ蠢くだけではなく、今度はペニスを絞り込んでくるような圧搾感まで発生させてきた。
もう駄目かもしれない、そう少年は思い始めた。めくるめく快感がペニスから生まれ、次々自分の体に流し込まれるのだ。これ以上は耐えられないかもしれない。全身に力を込めて、少年は耐え続けた。
シャツがビッショリになるほど全身に力を込めて、耐えに耐えた。頑張れば結構耐えられるものだ。少年は、繭が生み出す新しい快感にも幾分慣れたような気がした。連続する責めに対して、少し耐性を身につけられたのかもしれない。人間、何事にも慣れる事が出来る、そんな悟りでも開いたような気持ちが沸いた。何とかなるかもしれない。希望が沸いてきた。そういえば、繭の動きも段々遅くなってきた。ひょっとしたら、このまま大人しくなるかもしれない。淡い期待ではあるが、また繭が眠りにつく可能性も十分ある。きっと繭は、ちょっと目を覚ましただけなのだろう。
だが少年は、搾精の為だけに存在する繭がどんなに狡猾な存在かを、判っていなかった。
確かに同じ刺激が繰り返されるだけであれば、それに慣れる事が出来る。変化が無い限りは。繭は、本能でその事を知っていた。そればかりか、先ほどからは、少年の限界をじっくりと探っているのだった。どこまで少年を追い込んでもよいのか、また、どうすれば少年がよりよがり狂うのか。更には、少年のペニス隅々の感度まで既に把握していた。その上で、少年を一旦休ませようとしていた。次の責めで、少年を今よりもっと高い山の天辺に押しやれるように。
一方少年は、単調な動きを繰り返すばかりの繭に、その動きを見切った気になっていた。確かにさっきは危うく果ててしまいそうになったけれど、これが繭の与える刺激の上限であれば、なんとか乗り切れるに違いないと。先ほどの吸精は、単に繭が少年の限界を見極めようとしていただけということや、まだ実際にはほとんど手の内を見せていないことなど、少年には知るよしも無かったのだ。
なんとか、料理を半分ほどまで平らげることが出来た。これを片づけてしまえば、少し早く広間を出ても咎められることはない。少年は、繭の誘惑が弱まったこのタイミングにこそ、集中して料理片づけようとした。だから、再び繭が脈動を強めたことに直ぐには気づかなかった。
少年が変化に気づいたときは、もう状況は完璧に繭の手中にあった。繭の刺激が弱まった先ほどの一瞬のみが最後のチャンスだったのだ。今や、歩いて広間を出ることは選択肢に残っていなかった。繭の動きは徐々に巧みになってきている。気づかれることなく、ゆっくりその動きを強め、少年のペニス全体を手中に収めていた。繭は、もはや単なる粘液の塊ではなく生きた蜜壺へと変貌していた。少年が繭の再攻に気づいた瞬間に、ペニスを覆う繭は更に強く脈動を始めた。強く締め付け、ゆっくりと膨張し、またペニスを締め付ける。繭の内部はじゅぶじゅぶのグニュグニュで、亀頭のみならず茎も含めたペニス全体を丹念に刺激する。
「あぅぅ」
皆との食事をしている最中にも関わらず、椅子の底から股の付け根に這い上がってくるような刺激に少年はただ一人晒される。激しくなるその責めに、少年は手にナイフやフォークを握ったまま、思わず全身を硬直させた。股間から湧き起こるそのあまりの快感に、もはや食事どころか、手足さえ満足に動かせない。口からは涎が垂れ始め、首筋からシャツを濡らし始めた。たが少年は、そんな事にさえ気づく余裕が無かった。
小さな卵で出来た繭は、段々と吸精用蜜壺として真の機能を発揮し始めていた。成長した繭は、昨日よりも更に強い圧力を加えながらぴっちりと密着してペニスを覆う。当然小さな卵でベトベトの内部は、ヌルヌルしたヤスリでこすりあげる様な一層の粘着感と共に、より耐え難い刺激を伝えてくる。
少年の呼吸は、マラソンの後の様に乱れた。
もはや普通に息が出来ない。大きく息を吸おうとしたら、それはきっと嬌声になるだろう。
食事中なのに、そんな変な声を漏らしたりしたら、思いっきり周囲から怪しまれてしまう。
何か気付いたのだろうか、特に沙織が怪しんでいるようだった。
今はじっと耐えるしかなかった。
仮に今急いでここを飛び出したとしても、もはやペニスを限界までふやかせられたこの状態では2、3歩以上歩けるとは到底思えない。動いた瞬間にその振動で絶頂に達して、広間の途中で倒れてしまうに違いない。
なんとか今をしのぐしか方法が無かった。少年は快感にふらつく体を抑えようと足に力を込め、しっかりと踏ん張る。さもないと、快楽による震えが全身に伝わって、周囲に丸わかりになってしまいそうだ。今は、昨日と違ってリル・マンティスは居ない。単に、ペニスにプチプチした卵の繭がピッタリと張り付いているだけだ。
駄目だ。繭だけでも手に負えそうに無い。ペニスに、ネットリと絡み付いて動いている。まるで見えない手で扱かれるように甘美な刺激が次々に送り込まれている。その動きは、手などでは実現できないように変幻自在で、かつそれを防ぐ手段は全く無かった。
精液をねだるその繭の動きは、どうすればより少年から搾精出来るかを学習し尽くしていた。人外の快感を発生させるその壺はもはや、少年専用にその動きを調整しきっていた。ビクビクと激しく動く内部にもかかわらず、繭の外観からは何もおかしな点が見え無いのが唯一の救いだ。少年がピンと硬直しているのを除けば、誰もこの状況に気づかないでいてくれるだろう。もう少しすれば大半の食事がすむので、食堂から人気が少なくなる。あと、ほんの10分ほど持ちこたえればいいのだ。
だが、少年は忘れていた。
昨日どんなに、自分が快感に耐えきれず、のたうち、暴れ回ったかを。そう、リル・マンティスが巧みに少年の動きを封じていたから、ベッドから転がり落ちたり部屋の壁に穴を開けたりする羽目にはならなかったのだ。
でも今、彼女は居ない。
少年は自分の力だけで、快楽に跳ね回りそうな身体を押さえ込んでいた。
大丈夫。
昨日より繭が与える快感が進化しているけれど、リル・マンティスと二人(二匹?)掛かりの責めでは無い。じゅるじゅるした感じが何か昨日とは少し違うけれど、きっと耐えきれる、そう思っていた。少年は、いまだに繭の実力に気づいていなかった。
あと、少し。
そのとき繭の中で、小さく軟らかなものがペニスに触れてくるのを感じた。
にゅるにゅるの粘液の中で、それは別な動きをしているようだ。
何かがドロドロの中を泳いでいる?
何処かを目指して移動しているようだが、その動きがじゅるじゅるの海の中で新たなる刺激となる。目指す場所が段々はっきりしてきた。そいつは、漏れ続ける匂いに惹かれたに違いない。幹からカリ首を小刻みに刺激しながら、ついには敏感な亀頭に取り付いた。粘体の刺激と違った、ジェル状の固さを持った物体による刺激は強烈だった。今にも達しそうになる自分を、少年は必死に抑えた。
だが。
小さなソレは、遂に鈴口に達すると、頭を鈴口に突っ込み、強烈な振動を開始した。
我慢。少年は我慢したつもりだった。
口から垂れ始めた涎が、既に首筋から服の中へと筋を作り始めていた。
限界を超えた刺激にも、確かに声は出さなかった。
しかし、あまりの快感に制御を離れた手からは、とうとうフォークが床に落ちてしまった。
チリーン
固い床に当たったフォークが物凄い音を立てたように少年は思った。落としたフォークは食事のルール上、付き人に拾って貰う必要があった。喧噪が、少年の周りだけ静かになって行く。落としたまま、合図さえしない少年に周囲の興味が集まりだしたのだ。でも今の少年には、とても手を挙げて人を呼べるような余裕がなかった。
「はい。どうぞ」
幸いなことに、少年が呼べなかったにもかかわらず、付き人はフォークを拾ってくれた。
そのフォークを、
フォークを・・・
もはや、手が快感で震えないよう抑えるのに精一杯で、少年はフォークを受け取ることが出来ない。
「どうしたんですかぁ」
いけない、怪しまれてしまう。
でも、ペニスに加えられるている悩ましいマッサージは、昨日のような単純な収縮では無い。少年も、繭が今まで手加減をしていたことに遅まきながら気づいた。繭は今や少年をよがり狂わせるリズムを完璧に把握してきているようだった。また、そのリズムも、段々強力になってきた。手で扱かれるより更に甘美な繭の内部、ペニスを包む感触だけでも少年の限界は近い。それに加え、鈴口に加えられる刺激は、ペニスに電流を流しているのではないかとさえ思える。少年を呵む苛烈な刺激に、返事さえ思う様に出来ない。
(どうしよう)
そう思いながらも、ペニスを快感に支配された少年は身動きも出来ずにいた。
だから付き人が、普段と違うロングスカートの見慣れない女性だということに、少年は全く気づかなかった。
すっと、フォークが少年の手に滑り込んできた。
白い手袋をした付き人の女性が、少年の手にそっと背後から渡してくれたのだった。
お礼を言うどころか、手に力が入らず、それをちゃんと握っておくことも出来ない。
「ねえ、お礼の言葉も言えないんですかぁ」
付き人の女性は、無礼にも無言を守る少年の耳元へ、背後から囁きかけた。
少年の手は、未だ妙に軟らかなあの手袋でしっかりと掴まれている。
その言葉を聞いた瞬間、少年の首筋の毛が少し逆立った。
何かおかしい。
いや、お礼の言葉一つ言えない自分の方こそ、おかしいに違いない。
でも体の制御を失った少年には、どうすることも出来なかった。
「フフ、お食事、手伝ってあげますねぇ」