初版:2007/01/09
改定:2007/01/09
MEGAZONE WORLD
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小説
- 女子更衣室内誘惑責め
女子更衣室内誘惑責め・その2
少女の蠱惑的な躯が、透明化した少年を誘惑する
ver 01.00
「誰もいないな」
「居たら困る」
何しろ、この部屋に真っ裸でいるところを見つかったら、色々ただでは済まされないだろう。残念ながら、クリームを塗っても衣服は透明にならなかった。全く、こんな素っ裸の格好で見つかりたくは無い。
「絶対声を立てるなよ」
「ああ、見つかってもお前のことは言わないぜ」
究極の隠れ場所だった。まさかここに隠れているとは、流石の由香でさえ想像もつくまい。仮にいると判っても、完全に透明なのだから、少年を見つけ出すことは全く不可能だ。このまま昼休みをやり過ごせれば、後は何とかなるだろう。ただ欠点といえば、場所が場所だけに全身が熱くなって、物凄くドキドキする。なにしろここは魅惑の園、女子更衣室なのだから。
◆
パタン
次々に開かれるロッカー。しかし確かに渡辺の言うとおり、潜んでいられる空間がそこにあった。いくら透明になっても、体に触れられてしまう事は昼食会で実践済みだ。だが、開閉の時と、着替えを出し入れする瞬間だけ、ぶつからなければそれでいいのだ。しっかり見ていれば動きも十分予測がつく。声を立てたりしなければ、全く問題ない。
パタパタパタンパタパタン
視野いっぱいに広がる女の子の着替え姿。ロッカーに背を向け、女の子とロッカーの間に立っているのだから、その姿を超至近距離から拝むことになる。それも、一列に並ぶ少女達が一斉に着替え始めるのはなかなか壮観だ。更に目をこらすと、向こうのロッカーで着替えている女の子の後ろ姿も横一列に見える。天国に行ったって目にすることが出来ないであろう光景が、少年達の前に広がっていた。
シュツ。シャッ。スッ。キュッ。
数十センチも離れていない、超至近距離での次々と行われる生着替え。無防備にさらけ出される姿は生唾ものだった。一斉に繰り出される着替え姿が、圧倒的な迫力で迫ってくる。ただ、かわされている会話に関しては聞かなかったことにしておこう。世の中、聞かない方が幸せなこともある。
ポタ
下着!。下着、下着!!。下着姿の集団!!!。
悩殺的な肢体が、次々に下着姿になってゆく。思わず鼻血が出そうな光景が展開されている。
ポタ。ポタ。
女の子が沢山、一斉に生着替え。こんな場面に立ち会えるなんて、夢にも思わなかった。色とりどりの下着が無数に蠢く、未知の世界。
(胸、大きい)
制服越しでは判らなかったけれど、あの娘、結構胸が大きいんだ。決してみることの出来なかった、男子憧れの世界がここにある。
そうだ、沙也香は何処にいるんだろう。少年とのデートに一体どんな下着を着けているのか、気になった。そろそろ着替えないと、次の授業に間に合わない。もう一つ向こう側のロッカーで着替えているんだろうか?ただ、この狭い空間を着替え中の女の子の手足から身をかわしつつ、無接触で向こうまで覗きに行くことはとても出来なさそうだ。
コンコン
バタン
また、女子が誰か入ってきた。入口の仕切から姿を現したのは、なんと由香と沙也香の二人だった。
じっ
由香の視線が、真っ直ぐ少年に向けられる。
(まさか、見えている?)
しかも、由香は真っ直ぐ少年の方に歩いてくる。
(ヤバイ!!)
逃げようにも、着替えをしている女の子で溢れかえっているこの室内では、誰にも触れず遠くへ移動するのは不可能だ。
「ふふっ」
少年の目の前で立ち止まった由香が、腕を伸ばしてくる。
(何で見えているんだ)
蛇に睨まれた蛙のように体が固くなりながらも、辛うじて由香の腕を避ける。
カチャッ
少年が背にしている、ロッカーの扉が開けられた。
(あ!?)
間の抜けた話だ。別に少年の姿が、由香に見えているわけではなかった。少年は、着替え中の女子が振り回す手足を上手く避けられる場所、つまりまだ使われていないロッカーの前に佇んでいたのだから。遅れて入ってきた由香が、このロッカーに目を付けたのも当然だ。
ガサゴソ
由香は、まだ何か荷物を探している。お陰で、少年はちょっと困った状況に陥っていた。
「うふふっ」
由香は、何故そんな楽しそうに笑っているのだろうか。そんなにのんびり捜し物を続けられると、ここから出られない。
開きかけの扉と、荷物に伸ばされた由香の腕が作るロッカー一個分の幅に、少年の体が閉じ込められていた。完全に透明化しているので、まあ問題はない。由香は、少年の体越しにロッカーを覗き込む様にしながらも、その姿には全く気付か無い。透明な少年の体越しに、ロッカーの荷物はちゃんと見えているのだから。そう、由香の腕や体に当たりさえしなければ、全く問題は無い筈なのだ。
キュキュッ。ガサゴソ
まだ、何か探している。それも、ロッカーの上下あちこちを。手をかいくぐろうと少年が下に身をかがめれば、由香も下側の荷物を探し始める。何故か少年は由香の手とロッカーの扉に挟まれた狭いエリアから抜け出せないでいた。それでも少年の姿は見えないから、問題は無い・・・筈・・・なのだ。
「ふーっ」
ただ、ただ、ちょっとした事なんだ。ロッカーの中に手を入れていると言うことは、ロッカーから由香の躯まで腕一本分の距離も無いということだ。つまりだ、少年の顔と由香の顔はほんの数センチしか離れていない事になる。時折由香の悩ましい吐息が体に浴びせかけられて、思わず鳥肌が立つほどの快感を感じてしまう、そんな距離だった。
「うーん」
まだ、見つからないのか。由香が探せば探すほど、腕の動きと共にその悩ましい胸が目の前で弾むのだ。それも、超至近距離で。由香の胸に顔を埋めるぐらいの近さで味あわされる蛇の生殺し状態。由香が体を動かすたびに、その胸元で二つの塊がポヨンポヨンと素晴らしく弾むのがはっきり判る。どうしてもそれに目が惹き付けられてしまう。いや、目ばかりか手や顔まで、あの動きに惹き付けられる。だが、決して触ってはいけないのだ。いくら透明になっていても、触られれば誰だって少年に気が付いてしまう。
「無い、わねぇ」
無いのか。このまま、ずっと見つからないでもいいかもしれない。目の前で由香の躯が悩ましく動くのを見せつけられていると、思わずそんな事まで考え始めてしまう。だが、ただぼーっと見とれている暇は無かった。
ずさっ
後ずさりして、辛うじて接触をかわす。というか、少年は頭を自分から後のロッカーに突っ込まざるを得なかった。
「何で見つからないのかしら」
少年の上から覆い被さる様にして由香の顔が迫る。いや、荷物の中を覗き込もうとしているだけなんだろうけれど。けれど、由香の口が、自分の唇を追いかけて来ている様な、そんな錯覚に思わず囚われてしまう。しかも、顔のすぐ上で由香の双乳が、重力に従って大きく揺れている。服からクッキリと浮き出た大きな塊が、ムヨンムヨンと揺れる。見ちゃいけない。早くこんな状況から、逃げ出さなくては。
ガン!
とうとう由香がロッカーを蹴っ飛す。別に、本気じゃない。隣のロッカーの扉は凹みもしなかった。ただ・・・。
「どうしてなのかしら。ねぇ?」
由香は扉を脚で蹴ったままの体勢だった。つまり少年は前の休み時間同様、由香の脚と手が作る檻の中にまたも閉じ込められている。
「まあ、いいわ」
そのまま、由香が脱ぎ始めた。
(脚、脚を、どかして)
まるでロッカーの中に半分押し込まれた様な格好をしていないと、由香に触れてしまう。両手を使って着替えている今こそが逃げ出す最後のチャンスなのに、脚が邪魔で逃げられない。
「んんー」
何か気になることがあるのか、由香は少年をじーっと見つめている。妖しい瞳に思わず吸い込まれそうになるが、少年を見ている筈は無い。透明になっている少年の姿を素通しして、ロッカーの中の荷物を見ているんだ。でも、至近距離からそんなに見つめられると、段々なんだかおかしな気分になってしまう。
「はぁ」
半脱ぎのまま、由香の着替えが遅々として進まない。はだけた服から覗く肩とか、綺麗に脱ぎ去るよりも却って扇情的な由香の肢体が目の前でちらつく。だが、目をつぶるわけにはいかないのだ。由香が鞄を探る腕に触らない様、その妖艶な体をしっかり見ている必要がある。見れば見るほど、ムラムラとしてくるのが判っていながら、目を離す事が許されない。甘美な拷問だった。
(どうしよう)
至近距離から眺めさせられる由香の蠱惑的な肉体もさることながら、多数がひしめく更衣室の中なのに、由香の濃厚な香りが少年を包むのだ。着替えで動くたびに服の隙間から、由香の香りが放散される。ピッタリ貼り付く様な距離で潜む少年は、その全てを吸い込まざるを得ない。芳しい香りを鼻腔に感じながら、淫らに蠢く由香の素肌をじっと眺め続ける。由香がちっとも着替えを進めないので、ずっとそんな状態のままだった。
(危ない危ない)
ここまで興奮させられたお陰で、少年の体から言うことを聞かない敏感な器官が独自に出っ張ってしまった。それが、危うく由香の脚にぶつかりかけたのだ。このまま由香にしがみついて、分身をこすり付けたらどんなに気持ちいいんだろうか。思わずそんなことを考えると、分身がコクコクと同意を始めてしまった。いけない!余計なことを、考えない様にしなくては。
ポタッ・・・ポタポタポタッ・・・
『はぅっ』
突然、変な声が更衣室いっぱいに響きわたった。何か、苦しそうな声。
『・・・ぁ・・・・・・ぅ・・・ぉ・・・』
くぐもった声が、ぺたぺたとした足音と共に移動してゆくが、その姿は見えない。
(まさか渡辺?)
仕切越しに、更衣室の扉がバタンと開閉する音が聞こえた。
「何?」
「なんなの、今の」
「ちょっと、内鍵も掛けて」
今のは、渡辺だったに違いない。だが渡辺が引き起こした騒ぎによって、少年は物理的にも更衣室から脱出の手段を奪われてしまった。
「あーあ」
「駄目だったの?」
由香の隣りに、知らない少女がやってきた。雰囲気が、何処か由香に似ている。はっとするほど綺麗な顔や、見事な体つき、妖艶な雰囲気に加え、どこか肉食獣を思わせる気配が二人ともそっくりだ。
「もう少し、遊べると思ったのに」
「少し、慣れさせておいてあげなきゃ駄目よ」
「いいわね、まだ遊べて」
「ふふっ。ちゃ〜んと、慣れさせてあげたのよ。あ、それと・・・」
「なあに?」
「使ったでしょ」
「やぁだぁ。違うわよぉ」
「だって、二本もなくなってるわよ」
「あげただけよ」
「そう。それでなの」
ジッ
肉食獣じみた、妖艶な二人から、じっと見つめられる。四つの目が、少年を見ている。まるで目で体を貪られるのではないかと、一瞬思わせる様な強烈な目つきだった。でも、見えているはずはない。透明な少年の体を通して、その二本が有った場所を見ているだけに違いない。
「ワタナベ君は、駄目だったわよ」
「まだ、頑張れるのかしら?」
何!!!
透明だったのに、どうしてアイツの名前までわかるんだ。!!!
それに、これは俺に向かっていっているのか?だが、自分の荷物に向かってそんなことを言うとは思えない。
そうか。これは見えない誰かに向かって、カマをかけているんじゃないだろうか。
(ここは、身動き一つせず、静かにしていよう)
「ふふ」
「うふふっ」
二人に、じぃっ、と見つめられ続ける。なんなんだ、これは。あられもない下着姿のまま、二人が妖しい笑みを浮かべている。しかも、蠱惑的な目つきで、ひたすら俺を見つめてくる。なんだか、目で犯されている様な気分になってしまう。一体、俺は何を考えているんだ?。このままじゃ駄目だ。見つめられているだけなのに、二人から吹き付けられる妖艶な気配で、精神がおかしくなってしまいそうだ。
(見えていない筈だ)
一つ、確かめる方法がある。
(ほら、見えてないんだ)
少年がちょっと体をずらしても、彼女達の目線はその動きに追従しなかった。
「くっくくっ。ねぇ?」
「うふふ。いいわ」
やっと、由香が脚をロッカーから離した。チャンスだ。音を立てない様に、ゆっくりゆっくりと、慎重に歩く。渡辺のように足音を立てるヘマはしない。
(ほら、もうじき正面から抜けられる)
「あっはっっはっは」
「うふふふふふふ」
妖艶な二人が、体を二つに折り曲げながら笑っていた。何でだろう?。少年は自分の動きと、彼女達の反応に、何か関係があるのかを訝った。
「あーいいわぁ。教えてあげなさいよー」
「もう?」
「だってぇ、ねぇ」
「そうねぇ」
どことなく肉食獣的な、蠱惑的であるけれど男を貪るような色艶をもった彼女達の体。それが、一斉に少年の方を向いた。
ビクン
(まさか)
二対の目が、しっかりと”少年”を正確に見据えている。
(あ)
そう、濡らしてはいけなかった。
本話短編について、是非下記アンケートに御協力ください。
質問
選択肢
問1:拘束感
無い。設定に無理がある。
無い。描写が拙く、感じない。
あまり感じない。
まあまあ、あるかも。
十分な拘束感有り。
問2:少年はこれから
言葉で少女に誘惑される
視覚的効果で少女に誘惑される
物理的な接触で少女に誘惑される
とにかく焦らされる
少女に何度も逝かされてしまう
室内の女子全員にも気付かれてしまう
恋人にも気付かれてしまう
恋人に気付かれそうになる
恋人の事など、もうどうでもよくなる
その他
ご協力有難うございました。回答締切2007/01/11
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管理人:鷹巣 椎茸