初版:2006/12/26
改定:2006/12/26
MEGAZONE WORLD
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小説
- 電車内誘惑責め・その2
個室内誘惑責め・その2
快感が未だ抜けきらない少年の体を、少女が更に誘惑する
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授業中ずっと少年は悩まされていた。煮立つような官能の毒が、股間から去らない。トロトロと焙られるような快感が、ずっと股間で発生している。何故かヌルヌルが全く乾かず、悪循環に入ってしまった。もはや一刻の猶予はない。授業が終わり次第、可能な限り速やかにヌルヌルを除去しなければならなかった。
『やっぱり来たわね』
別な階のトイレなのに。
『そんなに急いで来るなんて、よっぽど時間が惜しいのね』
違う。先回りされないように全力でこのトイレに来たのだ。
『言ったでしょ。もう、あなたが何を考えているか、全部わかるのよ』
またしても、由香がトイレの個室で待ち受けていた。直前まで、その妖艶な肢体など、どこにも見あたらなかったのに。
『例えば、何処に来るのかも、ね』
そんな・・・。
『でも、なんで由香のいる個室がわかるのかしら』
楽しそうに顔を輝かせながら、由香が尋ねてくる。
『ひょっとして、由香の匂いを追ってきたの?』
まさか。確かに由香はいい匂いがするけれど。うん。いい匂い。そう、ずっと嗅いでいたいような匂い。そして、もっともっと、いっぱい嗅いでいたい気もする。
『そうなのねぇ』
確かに離れられなくなるような、本当にいい匂いがするけれど、そんな筈はない。でも、まだ距離があるのに、なんで由香の匂いがハッキリ判るんだろう。
『うふ。もう、由香の匂いと、舌の感触をクッキリ覚えちゃったのね』
由香の舌!ついさっき、散々味あわされた由香の濃厚な舌技。口からチラチラと覗く赤い舌を見ただけで、思わず欲情してしまいそうになる。散々嬲られた舌の感触は、未だに口内から消えてい無い。それにしても、いつのまに由香の香りまで覚え込まされたのだろう。
『ふふ。だから、由香を求めて、その感覚が物凄く鋭敏になっているのよ』
由香を探していたわけじゃあ・・・無い・・・。でも、本当に、そうだったろうか。ずっと由香の躯が脳裏にちらついて、授業中ずっと堪らなかった。だから、何処かに由香を求める気持ちが有ったのかもしれない。
『さあ、次は何を覚えたいのかな』
どうしてだろう。由香に喋られると、そんな気がしてしまう。何故か、思考力を由香に吸い取られているような気がする。
『ほらぁ。何をされたいの』
違う・・・のに・・・。もう、・・・これ以上・・・覚えさせられ・・・たく・・・ない
『じゃあ、さっきの続きからしましょう』
由香の腕が、またしても少年に向かって延ばされる。ただ、やはり少年を抱き込むようにしながらも、その体には指一本触れ無い。あくまでも、少年を包み込むように、腕の輪の中へと、優しく捕らえ込んでいる。
『どうしたの。嫌なら、出て行ってもいいのよ。別に押さえつけている訳じゃ無いのよ』
そう、別に力ずくで捕らえられているわけではない。由香の手を振り払えれば、簡単に個室から脱出することが出来るだろう。だが、由香の腕が問題だった。少年の手は、もう由香の躯の味をしっかり覚え込まされている。きっと、由香の躯に触った瞬間、由香の肉体が織りなす味に、すぐ目覚めてしまうに違いない。なにしろ、電車の中でも、先の休み時間でも、少年の手は本人の言うことを聞かず、勝手に由香の躯を貪ろうとしだしたのだから。
『ほらぁ、どうしたの』
由香の躯に、絶対触るわけにはいかない。
『続き、したかったんでしょ』
至近距離から目を見つめられると、どうしても由香の瞳に魂を捕らえられてしまうような気分になる。目を逸らさなくては。
『由香の躯、そんなにジロジロ見て。触りたいのねぇ』
違う。眺め廻してなどいない。間近で波打つ豊かな胸も、扇情的な体つきも、抱きしめるかのように横に延ばされている綺麗な腕も。何にも見てない。他のところなんか見ていない。ああ、由香の瞳、なんて綺麗なんだろう。
たったの一言で、少年はあっさり由香の瞳から目を逸らせなくなってしまう。
『さあ、何をしたいか言ってご覧なさい』
目を覗き込まれたまま、尋ねられる。まるで、由香が少年の魂から直接答えを引き出そうとしているかのようだ。
『さあ、ちゃんと思い浮かべて』
デート。デートに行くんだ。由香とこんな事をしている場合じゃないんだ。
でも、今、蠱惑的な由香の躯が間近にある。今、一番大事なのはそのことだ。由香の躯をなんとかしなくては。考えを集中させるんだ。そう、由香の躯。
『思い浮かべたわね。さあ、それが何か言ってご覧なさい』
(由香の・・・エッチな躯・・・あれ・・・何か別な・・・もっと・・・大事な事・・・)
少年は由香に捕らわれたまま、そこから一歩も逃れられないでいる。更に、ここは完璧な密室。そんな空間は、正に由香が支配力を最大限に発揮する場所だった。
『ふふっ。お口が、まだほぐれていないのよね』
舌を見せつけるかのように大きく口を開けながら由香が囁く。
いや、口が大きいのは、少年にグングン近づいているからで・・・
ムチュッ
突き出された由香の唇に、少年は自然と唇を合わせてしまう。
ニュルン
間髪を入れず、由香の舌が滑り込んできた。
『二回目なのに、せっかちさんねぇ』
こんな事をするためにトイレに来たわけではないのに。増えてしまったヌルヌルを、早く始末しないと。でも、ああ、また口から溶かされてしまう。また、ヌルヌルが増えちゃう。
『ふふ。そんなに気持ちいいの?』
由香は、少年の膝がガクガクしているのを目ざとく見つけていた。
『もう体に、力が、入らないのね』
またしても、由香は少年の目を真っ直ぐに覗き込みながら、口の中で囁く。
『力、入らないのよねぇ』
やめて。繰り返さないで。由香の言葉をそんな風に聞かされると、何故か本当に力が抜けてしまう。
『ふふ。気持ち、いいのよねぇ』
いい!。いいから、もう言わないで。そんな風に囁かれると、感じている以上に気持ちよくなってしまうから。
『もっと、気持ちよくなりたいのよねぇ』
もっと?
これより、もっと凄い快感を?
『ね、味わいたいんでしょぅ』
味わい・・・た・・・ぃ・・・
『じゃあ、どうして欲しいか言ってご覧なさい』
・・・キス・・・キスを・・・しながら・・・触って・・・
『ほら、口でハッキリ言いなさい』
舌を絡めたまま、由香は少年自ら堕ちるよう、誘惑している。
『さ、触・・・』
『これからデートに行くのに、由香が触っちゃってもいいの』
デート!
そうだ。沙也加と、デートに行くんだった。
『止め(ニュルルルル)』
由香は、喋ろうとした少年の舌に、更にきつく舌を巻き付けた。少年から一切の言葉を奪ってしまう。
ジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュル
少年を妖しく見つめたまま、下からねだるように少年の口を激しく吸い立てる。
(ああっ)
少年は膝から完璧に力が抜け、崩れ落ちそうになる。思わず躯に掴まってきた少年の手を見て、由香は淫蕩な笑みを返した。
『また、自分から、触ったわね』
躯を微妙にくねらせ始めると、甘く甘く少年に囁いた。
『ふふ。もっともっと、いっぱい触りたくなっちゃおうね』
デート。行くんだ。
『由香の躯、とっても凄いのよ。だから、あなたの手で、いっぱい覚えてね』
デート・・・
『ほら、わかるでしょ』
腕に、直接由香を感じる。柔らかい由香の躯。キスをしながら、このままギュッと抱きしめたら、どんなに気持ちいいんだろう。
『さあ、どうしたいの?』
ギュッ・・・あれ・・・デート・・・
『さあ』
由香のムッチリとした躯が、ゆっくりと、だが少年の手にその全てが伝わるように何度もくねり、艶めかしく動いた。
『とってもいいのよぉ』
ああ・・・手が・・・手が勝手に・・・
手の平に伝わる感触に、手が狂わされている。言うことを聞かない手が、由香の躯へ潜り込んでしまう!!!。
スッ。
その瞬間、突然由香が躯を少年から引き離してしまった。
ああ・・・待って。言うから・・・待って・・・
『もう、時間よ』
もう・・・10分・・・が・・・また・・・経った・・・のか・・・
『ふふ。次は、チャイムが鳴る前に、ちゃんと言いなさいね』
壁により掛かったまま身動き出来なくなっている少年をトイレの個室に残し、由香は先に教室へと戻っていった。
動けない。快感が体内で荒れ狂っていて、力が入らない。ああ、前よりも深く、由香の事を自分の体に刻みつけられてしまった気がする。
そうか・・・、チャイムが鳴ると責めの手を止めるのは、全てこの為。
そのまま続けていれば、簡単に少年を堕とせそうなのに、あえてそうしない。由香の躯が如何に素晴らしいかを少年の体へ直にタップリと教え込んでは、次の授業時間中ずっと悶えさせる。そうすれば、なかなか抜けない官能の毒が1時間の間、少年の身体隅々までじっくりと行き渡るから。更に由香は次の休み時間に、少年を次の段階へと煽り立てる。回を重ねる毎に少年は全身をより深く、由香一色に染め上げられてしまう。こんなことを何度も繰り返されたら・・・。
1回ならまだ忘れることが出来るかもしれない。だが、何度も何度も重ねて官能の毒に晒されたら。回を重ねる毎に全身に深く染み込んでくるこの快楽は、到底忘れ去ることが出来ない。もうじき、少年の心の奥底まで由香の快楽に浸食されてしまうだろう。もう、次は、耐えられないかも知れない。
そうだ。今度は、由香が来れないような、もっとずっと離れたあのトイレで下着を綺麗にしよう。
◆
だが少年は、自分が何故か、いかにも由香が来れそうなトイレの個室を思い浮かべていることに全く気付かなかった。
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管理人:鷹巣 椎茸