初版:2006/12/24
改定:2006/12/24
MEGAZONE WORLD - 小説 - 電車内誘惑責め

個室内誘惑責め


快感が未だ抜けきらない少年の体を、少女が更に誘惑する


ver 01.00


最初の休み時間に、ダッシュでトイレに駆け込んだ。由香に与えられた股間の熱い疼きが未だに止まらない。何しろ、辛うじて電車を無事に降りたものの、由香の躯の効果は凄まじく、一歩前に足を動かすだけでも思わず逝きそうだったのだから。余裕で間に合うよう、わざわざ早めに家出たのに、かろうじて始業のチャイムとほぼ同時に学校に着いた程だ。

楽しみにしていた沙也香との会話が、今日はまだ一回も出来ていない。でも、まずはこの下着のヌルヌルをなんとかしないと。トイレの扉に鍵を掛けた瞬間、今日2度目の驚きが少年を襲った。

『やっぱりねぇ』

衣擦れの音と共に、背後から甘い囁き声が投げかけられる。

このゾクリとする声、由香、だ。

どうやって先に着いたんだ?。何故彼女が男子トイレに??。それに、今までこの狭い個室に誰もいなかった筈だ。

『ここに来ると思っていたわよ。ヌルヌルが止まらないんでしょう?』

質問、というより確認しているような口調の由香が近づいてくる。いや、元々距離は無いのだ。だが、手が、あの由香の手が股に近づいてくる。なんで、ヌルヌルを始末しようとしていたことを由香は知っているのだろうか。

『言ったでしょう、君の反応を全部覚えたって。今あなたがどんな状態か、由香、全部わかるのよ』
(まさか)

『じんじんしてぇ、まだ疼いているのよねぇ。大事なところ、重くなっちゃったままでしょ』

少年の状態を、由香は存分に見抜いている。物凄く、不利な状況にいる気がする。

『ほらぁ、今度は誰も見ていないわよぉ』

この声を聞いていては駄目だ。だが、個室から逃げだそうとした少年は凍り付いた。

「あいつ、スッゲー急いで走ってたな。もしかしてトイレか」
「ああ、案外そこかもよ」

今扉を開ければ、多分由香と一緒にいるところを見られてしまう。それも、男子トイレ内で二人っきりのところを。

『ふふ。大きな声を出さなければ大丈夫よ』

逃げ場を失った少年に、由香がまるで覆い被さるように近づいてくる。

『どうしたのぉ?』

由香は少年の体に覆い被さるようにしながら、両手を扉につく。由香のほっそりとした両腕の檻に、少年は閉じ込められた。背後には扉、前には蠱惑的な由香の躯、左右にはあの由香の手が待っている。少年には一切手を触れずに、由香は少年を拘束していた。

『ほらぁ、いいのよぉ』

笑いながら、少年の手の動きを見ている。由香の躯を押し戻そうとして、それなのに躯に触れる直前で止まってしまう少年の手。

『さあ、いいわよ。また、いっぱい触ってぇ』

そうなのだ。もし、由香の躯に触ったら。きっと、電車内の時みたいに、いつの間にか由香の躯を抱かされてしまうに違いない。この蠱惑的な躯に触ったりしたら、砂糖水に浸かった虫のように逃げられなくなってしまう。

『朝は、いっぱい触ってくれたじゃない。ほらぁ、いいのよ』

由香は自分からは一切手を出さず、少年を弄んでいた。少年の手は、由香の躯に触れるか触れないかのところでブルブル震えている。触りたい気持ちと、触ったら駄目だという気持ちが拮抗しているのは一目瞭然になっている。

『触りたいんだよねぇ』

とうとう、耳に息を吹き掛けるようにして囁いてきた。吐息を掛けられた部分が溶けてしまうような、熱い吐息。

『それとも、由香からして欲しいのぉ?』
(そんなことをされたら・・・)

もう、ヌルヌルを始末するどころではなかった。益々量を増やすヌルヌルが、大きな海を作るのも時間の問題だった。

『でもねぇ、今度はちゃんとお願いするまで由香からは触らないの』
『・・・』

今、一瞬がっかりした様な気がするのは何故だろう。ここは、チャンスに喜ぶべきところだ。

『やっぱり、触って欲しいんでしょ』
(・・・電車の時みたいに、あんな凄いことをされたら・・・)

下から、挑発的な目で見上げながら由香の唇が妖しい言葉を紡ぐ。瑞々しいピンク色の唇が蠢く様はとても扇情的で、思わず目をそこに奪われてしまう。

『フフフ。今度は、ちゃんと鳴かせてあげる』
(・・・そうだ・・・あれからまだ一時間弱しか経っていないんだ・・・)

思わず吸い込まれそうな由香の瞳。その目をしっかり合わせたまま妖艶に囁かれると、心まで溶かされてしまいそうになる。少年の目をしっかり捕らえたまま、由香の目がどんどん近づいてくる。少年の視野いっぱいに由香の美貌が広がり、とうとう由香の目しか見えないほどにまでその顔が近づけられた。

『して欲しくなったら、ちゃんというのよ』
(・・・されたく・・・なんか・・・)

ちゅぷっ

驚く少年の目をしっかりとその瞳に捕らえながら、由香はキスを続けた。

んんんっジュルッジュジュジュッ

何か言いかけた少年の言葉などものともせずに、そのまま由香の口中へと吸い取ってしまう。

んんーチュルチュルルルチュル

少年が口を右に逃がそうとしても、ピッタリと貼り付いた由香の口がしっかりと付きそう。左に捻っても、やはり由香のやわらかな口は少年の唇を捕らえて離さない。扉に頭がぶつかるぐらい激しく後に引いても、由香のしっとりとした唇はしっかりと少年をキスの坩堝から逃さなかった。

ジュルルルルルルチュルルル

躯には全く触れず、口だけで由香と少年は繋がっていた。どんなに由香の口から逃げようとしても、逃げられない。口を閉じようとしても、かえって由香の舌をリアルに感じるだけだった。それどころか、中で蠢く由香の舌はどんどん少年から抵抗力を奪ってゆく。

由香は垂れてきた前髪を整え直し、常に少年に妖艶な美貌をきっちり見せつける。魂を引きずり出されそうなその顔を見ないようにしたいのに、由香の瞳は、少年に目を逸らすことを許さなかった。躯に触っていないだけに、口と目のたった2点で由香と繋がっていることを過剰に意識してしまう。

『気持ちいいでしょ』
(・・・ぃぃ・・・ちがう・・・・)

口中を撫で回すキスをしているので、声にはならない。だが、由香の言葉は、耳ではなく、少年の口に直接伝わってきた。音声よりも、はっきりと伝わる淫らな言葉。少年の背筋は、もう、ピリピリするどころか溶け落ちそうになってしまう。

『どうしてキスを止めないの』

それは、どう動いても、由香の口が離さないから。

『そうかしら。どうして、由香のお口から離れないのかしら』

!?

『ほぅら』

そんな馬鹿な。離れようとする由香の口を、自分の口が勝手に追いかける。

『ふふーん』

由香が得意げに見つめてくる。違う。これは違うんだ。

『じゃぁ、こうしたら、どうかしら』

そんな。下に逃げる由香の口を追って、少年の顔まで下を向く。今度は上に向かう由香の唇目指して、おねだりするように上を向いてしまう。

『もう、お口は由香から離れたくないのね』

違う。違うよぉ。

『お口は正直なのにねぇ』

何か理由があるはずだ。口の中に差し入れられている由香の舌、きっとこのせいだ。由香の舌がクイッと曲げられると、その方向に操られてしまうんだ。

『そうかしらぁ。だったら、こうしてあげる』

あ、あ、あ、あ、あ。引きづり出される由香の舌を追って、前へ前へと顔が動いてしまう。もっと由香の舌を味わっていたい。

『ふふ。すっかり気に入っちゃったのねぇ』

そんな。

『もう、由香のお口から逃れられないのよ』

あああ。

『ふふ。躯でじっくり由香のこと、順番に覚えていってね』

にゅぽん

淫らな音と共に由香の舌が引き抜かれた。

(あ、待って)

『次の続きが楽しみね』

そうか。次の授業のチャイムが鳴っている。トイレに来てからまだ一分も経っていないとしか思えないのに、既に10分の休み時間が終わっていた。半ば惚けたようになっている少年をトイレの個室に残して、由香は先に教室へと戻っていった。



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管理人:鷹巣 椎茸