密着してくる由香。少年は、淫らな躯から逃がれられない。 |
///// 以下 数行試作版 /////
その光景から、目が離せなかった。
喉の動きから、嚥下されている液体が「ごくん ごくん」と飲み込まれているのがハッキリ判る。
別に舌を見せつけているわけでもないし、口を大きくあけているわけでもない。
ごく普通に飲んでいるだけ。
それなのに自販機の前に立つ由香の姿から、目が離せない。
彼女が一口飲む毎に、焦燥感に似た何かが俺の中を走り抜ける。
「美味しい」
ただジュースを飲んでいるだけなのに。
だが俺の耳には、その満足そうな声が、まるで喘いでいるかのように聞こえる。
そればかりか、僅かに上下する肩の動きまで実に官能的だ。
先に教室へ向かった筈の彼女は、信じられないぐらい妖艶な女になっていた。
いや、服装を変えた訳でもない。ちゃんと普通に制服を着ている。
それなのに、どうしても彼女の体を強烈に意識してしまう。
特に、ヌメヌメと光輝く淫猥な唇。
もう、そこから目が離せなかった。
「どうしたの、そんなに見つめちゃって」
無防備に飲んでいるようでいて、由香は、俺のことに気付いていたらしい。
気付かれるほど長く見ていたつもりは無かったのだが。
「これ、飲みたかった?」
空になった容器を手にして問いかけてくる由香の声に、何故か身体の芯がゾクゾクする。
だが返事をしようにも蠱惑的な身体を前にしてカラカラになった舌は、言葉を喋れなかった。
まるで全身に油を塗ったのかと思うほど淫靡な光を放つ由香の肌。
なんでこんなに綺麗なんだ。
普段と同じの格好なのに。
ただ、そこから濃厚な官能美が発散されていて、どうしても目線は由香の身体へ強烈に引きつけられる。
///// 以上 数行試作版 /////
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