初版:2007/01/05
改定:2007/01/05
取れない繭 06.5(翌日、下校時・降りられない)
※ 本作は、とろとろ 氏
「千蟲姫エリヴィラ」への二次創作です。
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ver 01.00
体が宙に浮いていた。その証拠に、床が遙か下の方に見える。
「気がついた?」
「早かったんですねぇ」
声も遠くから響いてくる。一体、自分は今どこにいるのだろうか。水中にいるかのように全身が重く、頭も考えが纏まらない。
「また気絶しちゃったのね」
「気持ちよかったですかぁ」
沙織と由香の声が、遠い空の上から降ってくる。まるで天に召されたかのように、自分の体に実体感が無い。でも、お花畑ではなく床が見えている。
ビクッ
背筋を撫で上げられる感触に、体が即座に反応した。
「ふふっ。ちゃんと起きているじゃない」
「まだ、意識が逝っちゃってるんですよねぇ」
蠱惑的な少女二人に、体を挟み込まれたままだった。あまりにぴっちりと前後から彼女達が密着しているので、少年の体は宙に浮いていた。もう少年の足は床に着いていない。
「歩いちゃ駄目よ。また倒れちゃうでしょ」
「もう、自分からは動けないんですよぉ」
柔らかな少女二人の体で、少年はぐったりした体を床から釣り上げられた状態のまま、みっちりと肉のサンドイッチにされている。これでは、二人から逃げ出しようも無かった。力を無くした首だけが、下を向いている。
ビクン
「あはっ」
少年が意識を取り戻し少女達の躯を意識するや、分身が素直にぴくりと反応した。すかさずそれに気付いた由香が笑い声を上げると共に、グリグリと尻を押しつけてくる。その感触でうなだれていた少年の首も、あっという間にピンと伸びた。
「もう元気になったんですねぇ。ウフッ。もっと、可愛がって欲しいんですねぇ」
「ハウッ」
股間に加えられるなまめかしい腰の動きを直接感じて、思わず呻き声が漏れてしまう。少年の腰に押しつけられる由香の尻、それ自体が一匹の肉食獣なのではないかとさえ思える。何しろ見つめてくる由香の顔などとは別に独自に尻が蠢き、少年の分身にムッチリ擦り付けてくる。それに、張りがあるくせに柔らかな弾力でその中に取り込もうとしたりと動物的な動きを、由香の上体とは全く独立して繰り返し仕掛けてくる。
「もっと頑張って」 チュッ
励ます様な事を口にしながら、後にいる沙織が少年の首筋を舐め始めた。
「ふぉふぁ、ふぃっふぁふぃ」(ほらしっかり)
沙織は、首筋をねぶる様に舐めながら喋る。少年の耳ではなく、ダイレクトに体へ言い聞かせようとしていた。
「ウ・・・ウッ」
また呻き声を上げてしまったのは失敗だった。
「フフ。苦しそうですね。こうすれば楽になりますよぉ」
「(んんっん〜ん!!)」
チュプン
「ね、ほらぁ」
糸を引きながら自分の口から離れていく由香の舌を、少年は陶然と見送るだけだった。呻き声を僅かにでも漏らせば、由香の妖艶な唇が少年の口に覆い被さり、くねる舌が少年の喘ぎ声を封じに来る。ただそれは、喘ぎが外に漏れないだけであって、ネットリ巻き付く由香の舌の蠢きが余計に少年を喘がせる。漸く舌を解放されても、もう自分からは声を出すことさえ出来ない。呻き声一つ出せなくなるまで、由香が官能の限界まで少年を追いやるるのだ。
「楽になった出しょ?もっともっと、こうして欲しいんですよねぇ」
ニュチュ
由香の舌がまた、滑り込んでくる。グニュグニュと咥内で蠢く舌の感触で、舌が這い回る先はすっかり由香のいいなりになってしまう。唇をいくらきつく閉じようとしても、由香の舌が触れただけで少年の口は勝手に緩んでしまう。
「フフッ。お口は段々素直になってきましたねぇ」
目の前で蠱惑的な体をくねらせながら、由香は妖しい言葉で責めてくる。それも、少年の目をじっと見つめながら、耳ではなく目を通して脳に届かせようというかのように、赤く妖艶な唇を動かしてみせる。
「体がビクビクしているわ」
既にドロドロになるほど首筋を舐め回しているにもかかわらず、沙織はまだ少年の首筋を舌で撫でている。ただでさえ敏感なところを、更に唾液で敏感にして、そこを重点的に責めまくる。だから、少年には体がビクビクと震え出すのを止めることが出来ない。
「ねぇ、聞いてるの?」(チュッ)
耳の中に舌が!そんなことをしなくても、聞こえるのに。
ンクッ
舌が耳の狭い穴に入り込んでくる衝撃に、思わず腰を突き出してしまう。すかさず由香は、それに合わせるように尻で挟み込み返す。その結果、少年自らが由香の尻に熱い股間を埋めようとしている格好になる。
ハオッ
少年は繭が増幅してくる感覚を必死に耐える。呻き声を漏らせば由香の舌で、また蹂躙されてしまう。でも、実際にはそうしていなくても、繭が伝えてくる素股の感触は耐え難いものがある。由香の腰つきに合わせて、分身に対し絶妙な素股が施される。どう考えても、由香の見事な二本の脚に挟み込まれているとしか思えない。
(・・・止めて・・・)
前後から施される妖しい刺激を止めることが出来ない。このままでは、またもどうにかされてしまいそうだ。
「アンッ」
由香が甘い声を上げる。思わず、手が胸に触り始めていた。
(・・・なんて柔らかいんだ・・・このまま・・・)
「まだ、駄目ですよぉ」
今まで散々誘惑しておきながら、由香は少年の手を元の位置に戻してしまう。
(なんで?)
「おいたは駄目よ」
由香に強く押しつけた腰も、後から沙織に引き戻される。散々誘惑しておきながら、少年から二人に手を出すのは決して許さない。
(・・・まだ?・・・一体・・・何時なら・・・)
ぼうっとする少年の心と体に妖艶な声と肉体が絡み付く。
「ほら。しっかり」
「もっと力を入れて下さぁい」
一体、何をしっかりすればいいの?何に力を入れればいいの?
ジュルッ
モニュモニュン
いやらしい音が、少年の首筋や股間から意識に響いてくる。駄目だ。何かしなければいけないのに、考えられない。
「ほら、どうしたの」
「我慢しなくて、いいんですよぉ」
躯の接触ばかりか、少年を責め立てる少女達の声によっても、ますます思考力が削られる。
(何とかしなければ)
由香がじっと少年の口元を見つめてきているのに気付いた。ちょっとでも動かしたら、また凄いキスをしようと待ちかまえている。
(何かすることが、あったんだ)
由香の唇が、少年の唇の近くに接近したまま離れない。
(何だったろう)
少年は、由香の唇に合わせて離れない様に、自分の方から顔を動かしていることなど全く自覚していないでいる。
「何度でもいいのよ」
「またここに戻ってくるんですから、何回でも逝って下さぁい」
(ぅぅぁぁ)
逝っちゃう!また、逝っちゃうよ!何度でも逝かされちゃう!!
「まだ足りないの?」
「我慢するのぉ、好きなんですかぁ?」
(助けてぇ)
その瞬間に、ふと非常ベルを思い出した。違う、次のバス停で止まって貰うために、ボタンを押すんだ!。少年は、薄れる意識の片隅で、辛うじてすべき事を思い出せた。
ぐっ
(?)
手が。手が動かない。
沙織が指をしっかりと絡ませたまま、恋人握りで少年の手を拘束している。
「(次、降ります)」 チュー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
口を開きかけたその瞬間に、今か今かと待ちかまえていた由香に唇を奪われる。
「(つふぃ、おおふぃふぁふ)」
少年の舌へ絡みつくように巻き付けられる、由香のネットリとした舌。そのまま少年の舌を吸い出す様に由香の咥内へと引きずり込むと、唾液の海の中でタップリと蹂躙する。その凄まじい吸引力は、少年が引き戻そうとしても唇が離れないぐらいの真空力を生み出している。少年が喋り続けても、構わず舐め回す。しかも少年の目をしっかりと見つめ、由香の舌が生み出す快感を正確に推し量っている。少年は由香の舌が引き起こす快楽のあまり、あやうく逝きそうになる。だが、目をしっかり見ている由香は加減を絶妙に調整して少年を逝かせない。
由香にギリギリのところまで貪り続けられた挙げ句に、少年はようやく舌を引き戻すことが出来た。ただ、由香の咥内で散々弄ばれた少年の舌は、まるで麻痺した様にぐったりとして言葉を発することが出来なかった。
(・・・声・・・出ない・・・ボタン・・・押さないと・・・)
なのに、もう片方の手は由香の躯から、貼り付いた様に離れようとしない。
(ボタン!!)
ようやく、手を動かそうとする意志が沙織にも通じた。沙織の手が、少年の手と絡み合ったまま一緒に持ち上げられる。ボタンまで、もう一息。
ペロ
(!!!)
指先から、少年の全身に震えが走る。掲げた手を、沙織が舐めている。保健室で散々少年を魅了した沙織の舌が、少年の指の上を見せつける様に這ってゆく。由香の指と絡み合っているのに、沙織はそのまま一緒に舐め上げるのを止めない。ああ、にっこりと笑っている!。じゅぶじゅぶ指を舐めるところを、見せているんだ。
(逝く!逝く?!逝っちゃうよ!!!)
もう片方の手で蠱惑的な由香の躯を抱きしめながら、また逝ってしまうよぉ。嬌声が漏れてしまうぅ。ああ、由香がまた口を狙っている。今、キスをされたら、本当にまた逝ってしまう。
「どうして降りようとするの」
「まだぁ、降りちゃ駄目よぉ」
ああ!?。何をしたいか、ちゃんと判ってるんだ。それでいながら、させないつもりんだ。
「もっと、しましょう」
「もっと凄いことしてあげますよぉ」
(そんな。これ以上は、気持ちよすぎて耐えられない)
「でも、降りたければ降りてもいいわ」
「フフ。降りられるんなら、降りてもいですよぉ」
(・・・降りられる?・・今・・・降りる!・・・)
にゅるっ
ボタン目指して持ち上げた指を、沙織にまたも舐められる。目を輝かせた沙織が、何度も何度も何度も少年の指を舐める。
(指・・・溶けちゃう・・・そんなに、舐めない・・・で)
「お手々、下がってきたわよ」
「ボタン、押さないんですかぁ」
下では、由香も激しく腰を動かしている。
(お尻、そんなに振り立てないでぇ)
「やっぱり、降りたくないのね」
「もっともっと、されたいんですねぇ」
(あぅ、あー、あーーーー)
「由香のキス、待ち遠しかったんですねぇ」
にちゅるん
漏れ始めた嬌声を合図に、濃厚な由香のキスで口を犯される。もう、我慢出来なかった。
(ああああああーーーーーーーー、逝、逝く−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−)
またしても、少年は意識を遙か遠くに飛ばされてしまった。
バスから降りられないままに。
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管理人:鷹巣 椎茸