調印式に赴いた王子を、妖艶なメイドが絡めとります |
夢?
寝ていると、何時もあの声が聞こえる。
耳元で囁く、彼女達の声。
そうかと思えば、遥か遠くに彼女達の声が聞こえる。
でも決して途切れることはなく、微かな声は絶えず頭の中に伝わって来ている。
眠たいのに、聞かずにはいられない声。
その声を聞いているだけで、身体がポカポカして気持ちいい。
聞けば聞くほど、頭がスッと楽になってくる。
そう、ぐっすり眠りながら彼女達の声を聞いていられる。
あの声を聞いていると、とっても気持が良い。
(……そう……もっと……聞いて……いたい……)
無理に我慢される必要は、ありませんわ。
無理に我慢しなくても、良いんですよ。
王子様に、抑えられない衝動を植え付けるのが目的ですから。
王子様に、我慢できない衝動を植え込むのが目的なんですよ。
王子様が我慢できなくなるのは、仕方のないことなんですから。
王子様が我慢できなくても、当然の事ですわ。
(……我慢しなくても……いいんだ……)
ええ。私達の身体が近くに寄ってきたら、思わず抱きしめてしまうように。
ええ。私達の香りを感じたら、抱かずにはいられなくなるように。
体を押しつけられたら、人前であってもメイドの胸をまさぐらずにはいられなくなるように。
一瞬でも肌が触れたら、全身を撫で回さずにはいられなくなるように。
(……そ……そんなことは……しな……)
もう、無駄なんです。
もう、無駄ですわ。
ふふ。無駄です。
ふふ。無駄なんですよ。
二人の声が入り混じる。
囁きは、近くで繰り返され、遠くで繰り返され、幾重にも重なった言葉が頭の中で静かに鳴り響く。
ひっそりとした囁きが、頭の中に染み通る。
(……ああ……気持ち……良い)
もう王子様のお体は、この癖が染みついていますもの。
もう王子様のお体は、この癖に染まり切っていますもの。
もう王子様のお体は、この性癖が染み込んでいますもの。
もう王子様のお体は、この性癖にすっかり馴染んでいますわ。
もう王子様のお体は、この衝動に逆らえません。
もう王子様のお体は、私達の身体の虜。
聞き取りにくく、集中力を要する囁き。
しかし聞き取れれば、とっても心地よい。
その囁きに耳を傾ければ傾けるほど、気持ち良さが体中に染み渡る。
少しエコーの掛った声が、悩ましい水音と共に響いてくる。
どこかを舐められている様な音と共に、快感が体中に沸き起こる。
(……とっても……気持ち……いい……)
私達の身体を使って、肉欲の虜にして差し上げます。
私達に溺れる以外の事など、もうなんにも考えられなくなりますわ。
私達に溺れる以外の事など、何も考えられなくなりますわ。
それ以外の事など、もうなんにも考えられません。
私達の姿を前にしたら、その瞬間に抗いがたい情欲が込み上げてきて、ご自分ではどうする事も出来ません。
私達の姿を前にしたら、その瞬間に抗いがたい情欲に飲み込まれてしまいます。
私達の肉体を意識した瞬間に、体内に凄まじい欲望が沸き起こります。
私達の肉体を意識した瞬間に、凄まじい欲望が沸き起こって、ご自分ではどうする事も出来ません。
私達には決して逆らえない身体に、造り替えて差し上げます。
私達への情欲に、決して逆らえないお身体へ造り替えて差し上げます。
この囁きに逆らおうとしても、無駄ですわ。
私達メイドの囁きに、王子様は逆らえません。
私達メイドの囁きを聞いていると、王子様はとっても気分が良くなります。
王子様は、メイドの囁きを聞いていたい。
王子様は、メイドの囁きに従いたい。
(……そうだ……もっと……囁きを……ひたすら……聞いていたい……)
そんな王子の耳に、甘美なメイドの声が繰り返し囁かれる。
私達メイドの囁きに、王子様は逆らえません。
私達メイドの囁きに、王子様は従います。
私達メイドの囁きに従うと、王子様はますます気分が良くなります。
目を見つめながらメイドに囁かれると、王子様はぼーっとしてしまいます。
目を見つめながらメイドに囁かれると、王子様は更に気持良くなります。
目を見つめながらメイドに囁かれると、王子様はその言葉に逆らえません。
目を見つめながらメイドに囁かれた言葉に従うと、王子様はとっても気持ち良い。
目を見つめながらメイドに囁かれた言葉に、王子様は従ってしまいます。
(……ああ……綺麗だ……)
囁きは遠くから聞こえるのに、目の前の美しい瞳がこっちを見ている。
瞳の中はどこまでも深く澄んでいて、見ているだけで吸い込まれそうになる。
ええ。王子様は、メイドに見つめられたい。
ええ。王子様は、メイドに見つめて貰いたい。
ええ。
王子様は、メイドに見つめられるのがとっても快感。
王子様は、メイドに見つめられて、とっても気持ちいい。
王子様は、メイドに見つめられて、とっても感じてしまいます。
(……見つめられてる……それだけなのに……とっても……気持ち……良い……)
王子様は、メイドの瞳に逆らえません。
王子様は、メイドの瞳を見るのが大好き。
王子様は、メイドの瞳に吸い込まれます。
王子様は、メイドの瞳が気持ちいい。
(……あ……頭……と……溶ける……蕩けちゃう……)
輝く瞳から目を逸らそうと思っても、どうしても視線を吸い取られてしまう。
目の前の瞳が、大きくなる。
まるで瞳の中に吸い込まれている様だ。
どこまでも大きくなる、澄んだメイドの瞳。
見つめているだけで、メイドの瞳の奥底に向かって自分の意識が吸い込まれてゆくようだ。
王子様は、メイドの瞳を見ながら囁かれると、とってもとっても気持ちいい。
王子様は、メイドの瞳を見ながら囁かれると、更に快感を感じてしまいます。
王子様は、メイドの瞳を見ながら囁かれると、メイドの声がとっても気持ちいい。
王子様は、メイドの瞳を見ながら囁かれたい。メイドの声に従えば、もっと気持ちいい。
(……ああ……気持ち……溶け……ああ……いい……)
瞳の中へ溶かしこまれた意識に、メイドの言葉が甘く流れ込んで混じり合う。
聞こえるのは、メイドの甘く切ない囁きだけ。
至福の一体感が精神をネットリと包んでいる。
安らぎと狂おしさが同居した、身を焦がすように甘美な時間。
永遠に続く、メイドの囁き。
メイドの言葉と自分が一体化する、限りなく幸せな時間。
(……気持ち……いい……気持ち……いい……気持ち……いい……)
だがそんな時間にも、終わりがある。
明け方近くになると囁かれる、お決まりの言葉。
でも、これは夢ですわ。
ええ、これは夢ですから。
覚えていられないから、夢なんですよ。
覚えていられないですよね、夢の中身。
(……そう……これは……夢……)
言葉として頭が覚えているのではなく、王子様のお身体に直接埋め込まれてしまっていますから。
言葉として頭が覚えているのではなく、この忘れがたい快感を王子様のお身体が覚えてしまっていますわ。
(……夢だから……覚えて……いられない……)
囁きとともに官能の炎が体の奥深くへ封じられてゆく。
精神では忘れても、身体からは決して消えることはない。
身を焦がすように強烈な肉欲が、体の奥底で燻り続けている。
さあ、貴方は、決してこの夢を思い出せません。
さあ、貴方の身体は、この夢をしっかり覚えています。
さあ、貴方は、夢を思い出せません。
さあ、貴方の身体は、しっかり覚えています。
身体だけが、この感覚を覚えている。
身体だけが、この快感を覚えている。
ふふふふ。
うふふふ。
目が覚めると、とっても清々しい朝が待っていますよ。
目が覚めると、清々しい朝ですわ。
身体の奥底がどんなに疼いていても、爽やかな気分で目が覚めます。
身体が疼くのに、目覚めはとっても爽やかな気分。
今は、ぐっすりお眠りください。
今は、お眠りくださいね。
さあ、おやすみなさい。
おやすみなさい、王子様。
身体の火照りが止まらない、爽やかな朝まで。
股間の疼きが止まらない、素晴らしい朝まで。