密着してくる由香。少年は、淫らな躯から逃がれられない。 |
///// 以下 α版 /////
「俺のせいでお前まで遅刻になったらまずいだろ」
「いいわよ、そんなの気にしなくて」
そんなやり取りを繰り返しながら、やっと教室の近くまで辿り着いた時の事だった。
今まさに閉まって行く扉の陰に、教室に入って行った教師の後ろ姿があった。
亀が歩くようなこの速度では、とても間に合わない。
「俺のことは良いから、先に教室に行けよ」
「んー、あとチョットじゃん」
「出席取り出しちゃうだろ?それに直ぐ其処だし、一人で大丈夫だから」
「じゃあ、先行くね。遅いようだったら、先生を呼んであげるね」
面倒見の良い梨恵は色気の塊みたいな身体をしていながらも、同性の受けが良い。
何しろ動けなくなっていた俺を助けてくれるぐらいだ。
ただ、今まで肩を貸してくれていた彼女が先に行ってくれたので、実はホッとしていた。
というのは、由香に注がれた官能の毒が未だ体中を熱く流れている俺の体にとって、
梨恵にすがって歩く行為はセックスに匹敵する行為だった。
倒れそうになる俺を支えてくれているだけなのに、歩く毎に体に当たる梨恵の肉体が強烈に意識を浸食してくるし、
背中に廻された柔らかな腕が俺の身体を撫で回すように抱きしめ、そのしなやかな身体は離れそうになっては再び密着してくるという動きを、
一歩毎に繰り返すのだ。
ローションを塗りたくられた、いやローション壺に漬けられた分身が、そのたびにヌルヌルの下着に扱かれ、
まるで梨恵に甘美な愛撫を施されているも同然。
途中、何度逝きそうになったか判らない。
しかも一歩も動けなくなって必死でこらえていると、二人三脚状態で密着した梨恵が「大丈夫?」と顔を近づけて来ては、
唇が触れるような距離で「限界?まだまだ、頑張れるよね」と甘く囁くのだ。
それに耐えようと腕に力を込めれば、伝わってくるのは梨恵の肉感的な柔らかさ。
ますます腰から力が抜け官能に溶けた身体を、梨恵はさらにギュッと抱きつくように密着させてくる。
お陰で、身体中が切なく、分身が今にもはちきれそうになってしまった。
そんな状態で、梨恵と体を触れさせながら教室へ向かうのは、天国と言うよりは生殺しに近い。
危うく何も事情を知らない梨恵の傍らで、一人逝ってしまうところだった。
だが、これでやっと由香の毒を抜く事が出来る。
日頃興味のない授業も、この時ばかりは有難かった。
小一時間、身体の火照りを安全に冷ませるだろう。
「阿部〜」「はい」
「石井〜」「はい」
もう出席を取っている!だが、慌てて教室の扉を開けようとした俺の手が、ドアノブを掴むことはなかった。
「随分、遅かったわね」
「あっ」
固いノブではなく、少女の柔らかな手を掴んでいた。しかも、そのほっそりとした指が、逆に俺の指へ巻き付いてくる。
「あら、どうしたの?具合でも悪いのかしら」
「ぁぅぅ・・・ひっ」
先に教室へ向かった筈の由香が居た。しかも、さっきより更に数段上の妖艶さを漂わせている。
「顔がもの凄く真っ赤になってるわ」
「ぅぅっ」
今ここで会うのは、少しまずかった。
更に、蛇のように巻き付いてくる由香の指が、俺の心臓の鼓動を早鐘のように変えてしまう。
いけない。早く教室の中へ逃げ込まなくては。
だが由香は、扉に手を突いて行く手を遮ってきた。
「そんなにフラフラしてて、大丈夫なの?」
「・・・」
まるで心配でもするかのように顔を覗き込んでくる。
「具合が悪くて、口もきけないのかしら」
まずい。近寄られただけで、股間が強烈に疼く。口を開けたら、喘ぎ声が漏れてしまいそうなほどの快感だ。
しかも由香を避けようとすると、下着の中に大量に注ぎ込んだローションが絶妙な効果を発揮して邪魔をする。
ローションをタップリ染み込まされた下着が分身にピッタリ張り付いて、由香の腕を避けようとする度に妖しい感触を起こす。
そればかりか分身にピッタリ巻き付いて、上下左右あらゆる方向からヌルヌル刺激してくる。
「ねえ、どうしたの」
ちょっと身動きしただけでも逝きそうな状態のに、触れんばかりの距離にその妖艶な顔を寄せてくる。
異様に妖艶さを増した由香の身体を見ないようにしても無駄だった。
由香から立ちのぼる芳香に、早くも包み込まれてしまう。
「なんでこっちを見ようとしないの?」
必死に目を逸らしているのに、グイッと顔を引き寄せられた。
何故か、由香が別人のように妖艶なのだ。
同じ制服姿にも関わらず、肌が妖しく輝くような艶を見せているし、仕草の一つ一つが妙に官能的だ。
こんな状態でそんな由香に見つめられたら、どうなってしまうか。
「ほら、ちゃんと目を見なさいよ」
由香の澄んだ瞳と目が合ってしまった瞬間に、爪先から頭の天辺にかけて痺れるような電流が走り抜けた。
見つめてくるその瞳から、何故か目を逸らす事が出来ない。
頭の中に霞が掛かったようになって、身体が動かせなかった。
「フフ。身体が動かないんでしょ」
俺の目から、何かを読み取ったようだった。
由香は俺を見つめたまま髪をかき上げて、脇の下を見せつけるようなポーズを取ってくる。
半袖の袖口から魅惑の頂がチラッと見えた。
「フフ。何処を見ているの?」
俺の視線を追って、見られている場所を知りながらもそう聞いてくる。
更には胸を反らせて、一層魅惑の膨らみを強調する。
「もう、目が離せないんでしょ」
呼吸の度に妖しく起伏する肉塊を、何故かひたすら見つめ続けることしかできない。
触られているわけでもないのに、股間に由香の太腿が割り入れられているような悩ましい感触が蘇ってくる。
「なんでだか解る?」
教室の扉に突いた両腕の中に俺を閉じこめながら由香が尋ねてくるので、蠱惑的な香りが一層強く漂う。
「ロッカーの中では触感はあっても、身体を動かすことも出来ないし、何も見えなかったでしょ。
そんな状況に長く置かれると、他の感覚がとっても鋭敏になるのよ」
喋りながら吐息を俺に浴びせるだけでなく、由香は捕らえた俺の指を丹念になぞり続ける。
急所を扱くようなその動きに、俺は砕けそうになる腰を支えるのに精一杯だった。
「例えば触覚。指を撫でているだけなのに、まるで分身を撫でられているように感じちゃうんでしょ」
俺の方が背が高い筈なのに、由香は覆いかぶさるようにして蠱惑的な身体を近づけてくる。
「嗅覚も、ほら」
風通しの良い廊下に立っているのに、由香の放つ甘い香りがハッキリ判る。
「いっぱい吸って」
ゴクリと唾を飲んだ俺に、胸を押し付けるようにして迫ってくる。
少しはだけるように空けられた胸の谷間からは、由香の身体から香る濃厚な芳香が立ち昇る。
思わずその胸に顔を埋めるようにしてしまった俺の頭を、由香の腕が優しく抱き留めた。
「この香り、我慢できないんじゃない」
開いた襟の隙間から覗く綺麗な肌が、明るい陽光の下で淫靡な輝きを放っている。
狭いロッカーの中では見ることが出来なかった由香の身体が、目の前で蠢いていた。
「ほら、触りたいんでしょ」
檻に閉じこめられたようなあの空間と違って、ここなら自在に手を動かせる。
「どうしたの、我慢しなくてもいいのよ」
我慢?何か大事なことを忘れているような気がするが、由香は手を取るようにして自分の背中に巻き付けさせる。
「由香の背中、触り心地はどう?」
腕の中に感じる、しなやかな身体は最高だった。
「もっと強く抱きしめて良いのよ」
腕にちょっと力を込めた瞬間、由香の上半身がいかに柔らかいか思い知らされた。
身体に腕が吸い込まれるような素晴らしい感触。しかし、それだけではすまなかった。
「んんんっ」
首筋に浴びせられる由香の吐息。
更に俺の胸へ、くっきりと二つの球体が当たっているのが判る。
由香が呼吸する度に、その魅惑の双球の当たり方が変化することまで。
「ほら、もっと強くぅ」
力を込めれば込めるほど、腕の中にある肉体の感触と、身体に張り付く由香の感触が一体となって俺の本能を刺激する。
浴びせられる艶やかな声も、それにますます拍車を掛ける。
抱きしめれば、抱きしめるほど、素晴らしい密着感に溺れそうになる。
「背中だけで良いの?もっと腕を廻してみてぇ」
甘えるような声を出しながら、由香の手が俺を導く。ほっそりとした背中を通り越して、豊かに発育した胸の腋まで。
「ほら、もっとギュッと抱きしめるように」
由香の背中に廻した腕を更に引かれ、身体を一周して下乳に当たるように誘導された。
腕の中には柔らかな由香の身体があるが、強く抱きしめれば抱きしめるほど、由香の胸に
制服の上からでも双球の感触は、横からでもハッキリ判る。
もっと、もっと触りたい!
「フフ、苦しいわ。ねぇ、服の上からだけで良いの?」
見上げると、由香は悪戯っぽい表情を浮かべていた。
「手、入れても良いのよ」
はだけた襟から覗く双球の縁。魅惑の膨らみへの入り口。
背中から回した右手で下乳をなぞると、襟から覗く稜線が呼応するように形を変える。
制服の下で淫らに蠢く由香の乳房。
これを、直に触れる!?。
「こっちの手が空いてるんでしょ」
躊躇していた左手を、グッと引き込まれた。
柔肌の衝撃。
「それに聴覚も奪ってあげる」
クチュ
耳の穴から、由香の舌が脳目指して入り込んで来た。
反射的に見上げると、目の前に由香の赤い唇があった。
「周りの音なんか気にしないで、私の声だけを聞いていなさい」
そんな。出席が。
「駄目よ。もう、私の囁きからは逃れられないわよ」
先程まで聞こえていた、出席の点呼の声がしない。
今はもう、見つめてくる由香の声しか聞こえなかった。
「さあ、いらっしゃい。こんな状態で、私に逆らえるかしら」
まさか、教室の前、それも入り口の扉のところで!!
「味覚も経験済みだったわよね」
口の中の真っ赤な舌を見せ付けるように淫猥に蠢かせ、意味するところを伝えてくる。
「そして視覚。どう?、私の姿、前とは格段に違って見えてるんじゃない?」
もう、腕の中の淫猥な由香の身体から目を逸らせられない。
俺の五感全てを、由香の肉体が浸食していた。
逆らおうにも、淫靡な声は意識の隙間に忍び込んでくる。
「それに、他人にされる気持ちよさを、タップリと身体が覚えてるんじゃない?」
由香の澄んだ瞳が再び俺の目を覗き込んできた瞬間、ぞわぞわと全身に妖しい震えが走る。
「やっぱり、そうなのね」
///// 以上 α版 /////
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